和風ファンタジー『烏に単は似合わない』をオーディオブック・Audibleで聴いてみました。原田マハさんの『板上に咲く』に続き、「聞く読書」は新しい発見があって面白いです。
『烏に単は似合わない』は人の姿をとる八咫烏の住まう山内で、日嗣の御子のお后選びの様子が描かれています。
また、この物語は2024年放送のアニメ『烏は主を選ばない』の中に組み入れられているエピソードです。
「単」と「主」は同じ時間軸を女性パート、男性パートで表しているので一対の物語としてもなりたっています。
疋田涼子さん朗読 『烏に単は似合わない』の声の演じ分け
声優・疋田涼子さんの朗読で聞く『烏に単は似合わない』は、ナレーション部分と登場人物の声の演じ分けが素晴らしかったです。
たとえば、あせびは可愛らしく、浜木綿は凛としてクール、真赭の薄は艶やかで高貴、白珠は少し幼さと気品が感じられます。
そこに、各場面の感情が乗ることで、さらに物語世界に臨場感が加わります。侍女や羽母(八咫烏世界の乳母)に至るまでそれぞれの声が作られているのがすごい。
Audibleは「気になってたけど読んでなかった本」がたくさん聞けて月1,500円。単行本一冊の値段で何冊も楽しめます。
また、姫たちの衣装、花や滝といった描写が丁寧なナレーションで語られることで、『烏に単は似合わない』の文章が改めてすごいと感じました。
ここからネタバレ感想
特に可愛く、恐ろしかったのがあせびの声。
特に冒頭の嘉助への声にはゾッとしました。可愛らしさの中に艶っぽさがあって、そりゃこんな声で笑顔で言われたら落ちますよ…。
そして、ラストの謎解きで糾弾された時も、「自分は悪くないの…」。と、可愛らしく、甘えるような声で弁明します。これも若宮以外だったらきっと信じてしまったでしょうね。
八咫烏シリーズ感想
未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。
第一部
- 『烏に単衣は似合わない』…ゆるふわ世間知らず美少女のシンデレラストーリー?
- Audible『烏に単衣は似合わない』…そりゃこんな声で笑顔で言われたら落ちますよ…
- 『烏は主を選ばない』…ひねくれ小僧と空気読まない若君のバディ誕生
- 『黄金の烏』…人(八咫烏)食い猿がやってきた…!
- 『空棺の烏』…和製ハリー・ポッター(ただし魔法なし)
- 『玉依姫』…なんで私が異世界に?
- 『弥栄の烏』…山神さま、ちょっと落ち着いてください…!
第二部
- 『楽園の烏』…地獄のここが楽園だ。ダース・ベイダー雪斎爆誕
- 『追憶の烏』…私はただ、お慰めしたかっただけなのです…!
- 『烏の緑羽』…バブみイケメン成長ゲー
- 『望月の烏』…私、博陸侯のお手伝いをしたいのです!
- 『亡霊の烏』…紫苑VS博陸侯。試合に勝って勝負に負けた博陸侯
外伝
- 『かりんみず』…美味しいかりんみずはいかがですか?藤波さま
- 『さわべりのきじん』…虫を生のまま食おうとすんじゃねえ
- 『きらをきそう』…山内版・北斎の娘と花魁の世界
- 『烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1』…雪哉がセミ食ったりとか
- 『烏百花 白百合の章 八咫烏シリーズ外伝2』…きんかんを煮たりしています
幕間(外界視点からの山内)
松崎夏未さんによるコミカライズ
烏に単は似合わない
- 『烏に単は似合わない1』…圧巻の描写と詳細な設定で描かれる八咫烏ワールドの始まり
- 『烏に単は似合わない2』…姫たちの陰謀と思惑が交錯する中、ある事件が起こる
- 『烏に単は似合わない3』…桜花宮で起こった連続殺人。さらに姫の一人が心を病んでしまう
- 『烏に単は似合わない4』…陰謀と殺人の真相。その真犯人は意外な人物だった
烏は主を選ばない
- 『烏は主を選ばない1』…絶妙なキャラクターと風景描写
- 『烏は主を選ばない2』…ムチャ振り、刺客の襲来、貧民街への出向
- 『烏は主を選ばない3』…圧巻の谷間描写
- 『烏は主を選ばない4』…「あれは下賤の者だ」の意味
- 『烏は主を選ばない5』…意外な裏切り者と意外な協力者
ファンブック・イベント
- 『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』…ファンブックの電子簡易版
- 『八咫烏シリーズファンBOOK』…『空棺の烏』のキャラデザインや駆け落ちしたあのカップルのその後など裏話がたくさん
- 『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想…鬼畜作家に精神を翻弄される漫画家
- 八咫烏シリーズ展覧会&トークショー2023…眼福だったし阿部先生ファンには菩薩
- 阿部智里「八咫烏シリーズ」&名司生特別展2025…八咫烏シリーズと名司生さんオリジナルのイラスト展示
- 漫画版『烏は主を選ばない』3巻刊行記念スペースざっくり聞き書き…計算され尽くしたキャラ設定まじすごい

