八咫烏シリーズ4『空棺の烏』阿部智里

八咫烏 イラスト ファンタジー

阿部智里さんの『空棺の烏』読了。今回もまた、面白くて一気読み。今までと違って、謎解きよりも学生生活に重きが置かれています。

いや、意外なところに謎解きはあったのですが。

でも、この本での主人公・雪哉が体験する勁草院での学生生活と、そこで出会う友人たちとの友情こそが、この本の読みどころだと私は思います。

著:阿部 智里
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『空棺の烏』あらすじ

前回、八咫烏の世界「山内」に、外敵・猿が結界を破って八咫烏を襲う事件が発生。

山内の危機を救う「真の金烏」である若宮・奈月彦を守るため、彼に忠誠を誓った雪哉は「山内衆」の養成学校、勁草院へ入学する。

同じ学年には平民出身の茂丸、西領本家の貴族・明留(真穂の薄の弟)、ワケありな南領出身・千早など、個性的なメンバーが集まっていた。

厳しい課題に向き合いつつ、彼らとの間に友情が生まれるが、勁草院では若宮派と兄・長束派に分かれての対立がエスカレートしていき…。

八咫烏版ホグワーツ

金烏の一族を守る優れた武官を養成するために作られた勁草院。その授業はとにかくハード。

格闘や剣術などの他、法律や医術といった座学、「馬」と呼ばれる鳥形の八咫烏を乗りこなす御法、戦術シュミレーションを行う兵学など、多岐にわたります。

進級試験に合格しなければ、身分にかかわりなく退学という実力社会です。

そんな中でもご飯を食べたり、語り合ったり、時には喧嘩したり。ハリー・ポッターの魔法学校、ホグワーツを思い出しました。

最初は貴族の明留と平民(雪哉は郷長の息子だけれど平民寄り)の生徒たちとの軋轢があったりするのですが、それを乗り越えて行くところが胸熱で。青春ていいな♪

こうした学生時代に培った友は、これから命がけの任務につく彼らにとって、貴重な財産となるのでしょうね。

こちらの『阿部智里「八咫烏シリーズ」ファンBOOK』には、まだ漫画化されていない茂さん、千早、明留たちののキャラデザインも。

編集:オール讀物編集部
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空棺の烏とは

雪哉たちの学生生活と平行して、新たな問題も描かれます。

若宮が先代の「真の金烏」の記憶を持たないことが原因で、神官が若宮の即位に「待った」をかけたため、若宮は先代の金烏の情報を調べることに。

そこで、意外なことが判明してゆくのですが…。

タイトルにもなった「空棺の烏」とは、行方不明になった先代の金烏のこと。

彼の行動にどんな意味があるのか、そして八咫烏を襲う猿との対決も間近にせまり、次回の話が待ち遠しいです。

再読感想

第二部『烏の緑羽』の内容が『空棺の烏』とリンクしていたため再読。

最初の頃はホグワーツのような学園生活と、雪哉が敵対勢力をバッタバッタと薙ぎ払う様子が痛快でした。

でも『烏の緑羽』を読むと、敵対勢力にも過去に様々なことがあってここに至ったのだということがわかり、物語の深みを感じました。

特に、教官の翠寛。彼はスネイプ教授のように意地悪でしたが、彼には彼の正義があったわけなんです。物語は視点が変わるとこんなにも違うのかと驚かされます。

外伝『ふゆのことら』やコミカライズでは道化役の市柳パイセンも、案外面倒見がよく、いいやつだったなあと。

ただまあ、ファッションセンスはアレですが…。

八咫烏シリーズ感想

未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。

第一部

第二部

外伝

幕間(外界視点からの山内)

松崎夏未さんによるコミカライズ

烏に単は似合わない

烏は主を選ばない

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