八咫烏シリーズ外伝『さわべりのきじん』は、シリーズ最初から旧知の仲だった澄尾と奈月彦の出会いの物語です。

『さわべりのきじん』あらすじ
病気の母を持つ少年・澄尾は、宿場で荷運びなどの手間仕事をしていたが、周囲からは武人としての出世コースが約束された勁草院への入峰も勧められていた。
母の側にいるため地元用心棒の傘下に入るか、勁草院へ行くかを思い悩む澄尾の前に、以前会ったことのある貴人の子が沢べりで煮炊きをしているのを見かける。
彼は「山烏」のなんたるかを知るため、クローという大人のもとで学んでいるのだという…。
「澄尾」と「すみ」と奈月彦の出会い(ここからネタバレ)
「すみ」こと浜木綿と奈月彦の出会いを描いた『すみのさくら』でも、頼りなさそうで不思議な少年として書かれていた奈月彦。
今回も彼の天然…というか、浮世離れした言動に澄尾も呆気にとられるシーンがありました。
それでいて、物事の核心をついた奈月彦の言葉に、澄尾は心を動かされます。将来の選択を肯定的にとらえるようになったんですね。
外と内で奈月彦の最大の味方になる「澄尾」と「すみ(浜木綿)」は、最初から日嗣の御子、金鳥ではなく「奈月彦」と出会うことで彼の側にいることを選んだんですね。
浜木綿との出会いを描いた『すみのさくら』
そこが雪哉と違うところなのかな…?
八咫烏シリーズ感想
未読の皆さまには、まず第一部からお読みいただければ幸いです。『黄金の烏』までがアニメ化されています。各巻の概要と感想をまとめるとこんな感じです。
第一部
- 『烏に単衣は似合わない』…ゆるふわ世間知らず美少女のシンデレラストーリー?
- Audible『烏に単衣は似合わない』…そりゃこんな声で笑顔で言われたら落ちますよ…
- 『烏は主を選ばない』…ひねくれ小僧と空気読まない若君のバディ誕生
- 『黄金の烏』…人(八咫烏)食い猿がやってきた…!
- 『空棺の烏』…人材育成、和製ハリー・ポッター(魔法なし)
- 『玉依姫』…なんで私が異世界に?
- 『弥栄の烏』…山神さま、ちょっと落ち着いてください…!
第二部
- 『楽園の烏』…地獄のここが楽園だ。ダース・ベイダー雪斎爆誕
- 『追憶の烏』…私はただ、お慰めしたかっただけなのです…!
- 『烏の緑羽』…バブみイケメン成長ゲー
- 『望月の烏』…私、博陸侯のお手伝いをしたいのです!
- 『亡霊の烏』…紫苑VS博陸侯。試合に勝って勝負に負けた博陸侯
外伝
- 『かりんみず』…美味しいかりんみずはいかがですか?藤波さま
- 『さわべりのきじん』…虫を生のまま食おうとすんじゃねえ
- 『きらをきそう』…山内版・北斎の娘と花魁の世界
- 『烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1』…雪哉がセミ食ったりとか
- 『烏百花 白百合の章 八咫烏シリーズ外伝2』…きんかんを煮たりしています
幕間(外界視点からの山内)
松崎夏未さんによるコミカライズ
- 『烏に単は似合わない1』…圧巻の描写と詳細な設定で描かれる八咫烏ワールドの始まり
- 『烏に単は似合わない2』…姫たちの陰謀と思惑が交錯する中、ある事件が起こる
- 『烏に単は似合わない3』…桜花宮で起こった連続殺人。さらに姫の一人が心を病んでしまう
- 『烏に単は似合わない4』…陰謀と殺人の真相。その真犯人は意外な人物だった
- 『烏は主を選ばない1』…絶妙なキャラクターと風景描写
- 『烏は主を選ばない2』…ムチャ振り、刺客の襲来、貧民街への出向
- 『烏は主を選ばない3』…圧巻の谷間描写
- 『烏は主を選ばない4』…「あれは下賤の者だ」の意味
- 『烏は主を選ばない5』…意外な裏切り者と意外な協力者
ファンブック・イベント
- 『羽の生えた想像力 阿部智里BOOK(電子書籍)』…ファンブックの電子簡易版
- 『八咫烏シリーズファンブック』…読めばだいたいのことはわかる
- 『追憶の烏』ネタバレトークイベント感想…鬼畜作家に精神を翻弄される漫画家
- 八咫烏シリーズ展覧会&トークショー2023…眼福だったし阿部先生ファンには菩薩だった
- 漫画版『烏は主を選ばない』3巻刊行記念スペースざっくり聞き書き…計算され尽くしたキャラ設定まじすごい