現在、私が最も推している作家が嶋津輝さんです。その実力はすさまじく、長編第一作『襷がけの二人』で直木賞候補に。最新作『カフェーの帰り道』ではとうとう直木賞を受賞。
彼女の作品は、どこにでもいる人々の、「日常」が丁寧に描かれています。
その日常の切り取り方、描写がなんともリアルで、読みながら思わず「こんな人いるよなあ…」と思ってしまいます。
まだ書籍化されていない文章もあるため、現時点で読める嶋津輝作品を集めてみました。
Audible作品
Amazonのオーディオブック、Audible。文芸誌『GOAT』に掲載された短編、『牛田家とわたし』は、昭和の時代の友だちの家のごはんの話。
アンソロジー
アンソロジーは、数人の作家がテーマに沿った小説を執筆する短編集。嶋津輝さんはいろいろなジャンルのアンソロジーに参加されています。
おやつ〈菓子〉時代小説傑作選
お菓子がテーマの時代小説アンソロジー『おやつ〈菓子〉時代小説傑作選』。
嶋津輝さんの時代小説。果たして、時代小説作家のお歴々と比べてどうなのかな…。と、思ったら、素晴らしかったです。なんなら、他の作品よりも時代小説らしかったかも。
猫はわかっている
猫をモチーフにしたアンソロジー。こちらでは『猫とビデオテープ』というバブル時代のバイト仲間との友情をモチーフにした作品を発表しています。
他の作家さんの作品もよかったのですが、嶋津輝さんは、設定や登場人物たちの関係性、物語のオチが素晴らしくて、「この人の小説をもっと読みたい」と強く思いました。
私たちの特別な一日
冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。嶋津さんは『漂泊の道』というタイトルで葬儀の喪服をモチーフにした作品。
喪服の変遷から、女性の人生を描いています。
短編
カフェーの帰り道
『カフェーの帰り道』は昭和初期、人気のないカフェーで働く女給たちの物語。一人ひとりの人生が丁寧に描かれています。こちらも直木賞候補作→2026年直木賞受賞!
スナック墓場
閉店したスナックの同窓会を描いた『スナック墓場』のほか、倉庫作業員の女性の日常を描いた『ラインのふたり』など。
人の幸福と不幸を細やかに描いた短編です。モチーフが毎回面白い。
駐車場のねこ
短編ではオール讀物新人賞を受賞した『姉いもうと』を収録した『スナック墓場』。後に文庫化され『駐車場のねこ』に改題。
普通の人々の、ちょっと普通じゃない部分を描いた作品です。読むとくすっと笑えて、ちょっと元気が出ます。
長編
初の長編となる『襷がけの二人』は大正から戦後まで、二人の女中の物語。
途中で奥様と女中の身分が入れ替わる設定が面白いのと、昭和の暮らしを丁寧に描いているのが物語に入り込みやすかった。一気に読んでしまいました。
エッセイ
残念ながらまだ書籍化されていませんが、嶋津輝さんはエッセイも面白いのです。
友人から贈られた本の話や、車内で弁当を食べる女性の話など。日常をユニークに描いています。
ぜひとも単行本にしてほしい。

