「ドスコイ警備保障」は、お相撲さんによる警備会社の物語。
『都立水商!』に続く、奇想天外な室積ワールド、今回も炸裂してます。
ドスコイ警備保障設立
水商売専門の商業高校を描いた「都立水商!」では、そのアイデアにびっくりしましたが、「ドスコイ警備保障」驚き満載。力士による警備会社という、ありそうで無かった意外な設定です。
お相撲さんのイメージといえば、「強いけれど、どこか動作がゆったりしている」なのですが、しかし、実はトップスプリンター並の瞬発力と強靭な筋肉を持つ格闘家なのですって。(近距離のスピードならカール・ルイスよりも上回る力士がいるらしい)
そんな格闘のプロ集団が警備を行うんですから、ちゃらい犯罪者などはひとたまりもありません。そして案の定、ボッコボコの返り討ちにあってしまいます。
そして、いつしか、「ドスコイ警備保障」は「警察官立ち寄り所」よりも効果のある犯罪抑止力となってゆくのでした…。
全員が主人公
普通のドラマなんかだと、
会社設立→順調→ものすごい困難がやってくる→克服して大団円
という流れになるんでしょうが、室積さんの話はすこし違うんですね。
会社設立当初は困難があるものの、きっかけをつかむとドスコイ警備保障は順調に成長をとげていきます。
「困難」の変わりになるのは、ドスコイスタッフ、ひとりひとりへのスポットライトの当て方です。
ドスコイ警備保障の社長となった豪勇と親方との関係。ちょっとドジだけれど、会社思いの設立スタッフ、近藤と山本、井上。会社の紅一点で元タレント事務所社長の敦子。
そして、もともと別の会社の社員だったのに、デブということでいつの間にか「ドスコイ警備保障」の一員になった松村君。
そんなキャラクター、ひとりひとりのエピソードを丁寧に描いているんです。笑いあり涙あり、気がつくと自分もドスコイ警備保障の一員になったような気になれました。
「ドスコイ警備保障」では、主人公とよべる人間は存在しません。あえて言うなら「ドスコイ警備保障」に関わる全員が主人公といえるかもしれません。
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