『烏衣の華 2』では、月季の恐れていたものが現れます。月季はそれに立ち向かうことができるのか。
また、今回『後宮の烏』の登場人物たちも深く関わってきます。
『烏衣の華 2』あらすじ
男性を呪い殺す香炉の除霊を頼まれた月季は、香炉に取り付く女の幽鬼(霊)を祓う。彼女はなぜ男たちを呪ったのか。
その原因が気になった月季は婚約者の封霊耀、前回の事件に関係した巫術師見習いの渓とともに、女のいた村を訪れる。
そこには廃れた古い廟があり、名もなき神が祀られていたという。村に伝わる猫を操る巫術と女の幽鬼、そして村に現れた虎の化け物。
それらはなにか繋がりがあるのか。また、月季の「内なるもの」が姿を表して…。
先の読めない展開
白川紺子さんの、先の読めない物語の構成がすごい。月季の中にある「内なるもの」は、彼女が敬愛する祖父・千里も知っていたんですね。そして彼女に付き従う燕「烏衣」の正体もわかりました。
さらに物語は国を巻き込んだ事件に発展していきます。
『後宮の烏』では烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)と他の神との戦いが描かれましたが、今回は別の神々が登場するのか?そして、月季の正体は…?
二巻はそんな謎を含んで終わったので、刊行されたばかりだけど早く続きが読みたくなってしまいました。
『後宮の烏』との関連
『烏衣の華』は、『後宮の烏』の数十年後ですので、『後宮の烏』のキャラクターも登場します。
月季が慕う祖父・千里は元冬官(祭祀を司る長官)ですし、今回は祀典使と現冬官として阿兪拉(あゆら)と衣斯哈(いしは)も登場します。
『後宮の烏』では幼い二人でしたが、阿兪拉(あゆら)は烏漣娘娘の巫女として、衣斯哈は彼女を刺さえる官吏として立派に成長しています。
この姿を寿雪が見たら喜んだかもしれませんね。