『あしながおじさん』の作者が描く、女子高生のおてんばライフ『おちゃめなパティ』
ジーン・ウェブスターの初期作品『おちゃめなパティ』。『あしながおじさん』があまりにも有名なせいか、あまり知名度がないのは残念でなりません。
『おちゃめなパティ』あらすじ
厳格なカトリックの寄宿学校に通うパッティは好奇心旺盛で破天荒。彼女の行動はもう「おちゃめ」の範疇を超えたおてんばぶり。
まず物語の冒頭、パティたちは学校側への不平不満を漏らします。
仲良しの友達・コニー、プリシラと寮の部屋を分けられてしまったから。パティたちは一計を案じ、ルームメイトにいたずらをして嫌われるようにしむけ、まんまと元の部屋へ友達ともどることに成功。
こうして様々なトラブルを起こしながらも、パティたちは学園での自由を求めて行くことに。
おてんばパティ
パティ、かなりの策士ですね…。
彼女のいたずらや冒険心は時に騒動を引きおこします。でも、それだけではありません。
ラテン語の苦手なクラスメイトのために宿題の量を減らすよう先生に対してストライキをしたり、大家族で肩身の狭い思いをしている老夫婦に家をプレゼントしたり。
常に人が本当に喜ぶことを考え、必死で行動する正義感も兼ね備えています。
そんなパティの好奇心と頭のよさ、それと辛辣な批評精神は、そのまま『あしながおじさん』のジュディに受け継がれていきます。(ジュディの方がずいぶん大人な考えの持ち主ですが)
「パティ」に見る1910年代のアメリカ
ジーン・ウェブスターがこの作品を書いた1910年代は、アメリカも女性に参政権が無く、自由が制限されていた時代です。
でも、物語のパティは自由に、自分の思ったことを思った通りに行動に移していきます。
また当時のアメリカの寄宿舎学校の様子も魅力のひとつです。ダンス、仮装大会、クリスマスのごちそう、みんなとわいわい騒ぐパーティ。
こんな学校なら通ってみたくなります。このあたりの描写が
面白かったのは、パティたちに便宜を図ってくれるの学校の使用人が日本人男性だったこと。当時だから当然差別はあるのでしょうが、パティたちはごく自然に彼と接しています。
それだけ、多くの日本人が海を渡り、真面目に働いていたからこそ、ジーン・ウェブスターは小説に登場させたのかもしれませんね。

