この本では日常のストレスから自由になるためのノウハウを仏道(仏教ではない)の教えを通じて、やさしく、やわらかく教えてくれます。
困った人に振り回されたり、物事がうまくいかずについイライラしてしまう人におすすめの本です。
自分を大事にしすぎる人たち
自分のことばかりしゃべる人、人に対して上から目線で否定する人、不幸自慢をする人…。
それらはすべて「自分」を守り、自分をよくみせようとする行動なのです。人は無意識のうちにも様々な方法で「自分」を守り、アピールをしています。
「自分」が高じると、説教をしたり、自分の話ばかりをして相手を不快にしてしまいます。そして、自分自身も欲が蓄積して心身にも影響がでてしまうのです。
困った人には「お嬢様ことば」でやんわりと
そんな、自分のことばかりな人に有効なのが「お嬢様ことば」です。お嬢様のようにおっとりと「さようでございますか」と相槌を打つといいそうです。
そうすれば話の腰をスムーズに折ることができ、不快感を与えないのだとか。お嬢様ことばが気恥ずかしい時は「さようでございますか?」または「そうなんですか?」と疑問形にするのだとか。
確かに、明治や大正時代のお嬢様や奥様の言葉は丁寧で不快感を感じません。
「金持ちケンカせず」ともいいますし、困った自分中心の人にはお嬢様のように寛大な態度で接してみようと思います。
言葉に傷つけられないために
同じく「もう、怒らない」でも書かれていたのですが、自分の感情を「自分は今、怒っている」と第三者的に冷静に分析する、他人の言葉へ傷つきそうになったら「これはただの言葉」と念じる。
他人から発せられた言葉は、ただの音にすぎなくて、それをどう料理するかは私たちの精神システム(不幸に考えがちの)の問題です。
そうやって最初の段階に戻すことで不幸や怒りのシステムを制御することができるのだそうです。
わたしも怒りっぽいく、他人の言葉に傷つきやすいので、そのたびに「これはただの言葉だ。」と念じるようにしています。そうするとちょっとラクになります。
不幸自慢は、蜜の味
名作ファンタジー「十二国記」の「風の万里 黎明の空」。登場人物の鈴は不幸自慢ばかりして、自分を変えようとはしませんでした。
けれど大切な人を亡くし、自分の「不幸の中の幸福」を感じていた自分に気がつきます。
同じく登場人物の祥瓊も
「わたしは不幸だと思うことって、私は幸福だと思うのと同じくらい、気持ちいいことなのかもしれない。」
「風の万里 黎明の空」
と語っています。
作者の小野不由美さんは大学で仏教を学んでおられたそうです。もしかしたら、こうした仏道的な思想を物語に取り入れていったのかなと、ふと思いました。