認知バイアスとは、先入観や思い込みで間違った判断をしてしまう「考え方のクセ」のようなもの。
この本で考え方のクセを知っておくと、間違った判断を回避できますし、人間関係やビジネスにも転用できるかもしれません。
認知バイアスの例
認知バイアスは以前読んだ『行動経済学』の本でも紹介されていましたが、おそらく人は「自分の考えが最も正しい」と無意識に思っているのです。
保有効果:自分の物は高い物
着物や骨董の買取価格が、自分の想定よりも安くてがっかりしたことはありませんか?保有効果は「自分の持ち物は価値が高いはず」と考えてしまうんです。
そして、一度手に入れてしまうと(価値がなくても)手放せなくなってしまうのだとか。
イケア効果
保有効果に似たもので、イケア効果があります。これは自分が作った物は必要以上に価値があると思いこんでしまう効果のこと。
人は無意識に自分に対して評価が甘くなるのです。
正常性バイアス:自分だけは大丈夫
災害や事件のニュースを見て、こんな風に思ったことはありませんか?
- 警報が鳴っても「大丈夫だろう」と思い避難しない
- 事件や事故の被害者も悪いと思う
これは「自分だけは事件や事故にあわない」と思うバイアスのせいなんです。SNSでも被害者を避難するコメントが多いのも「世界は公正で安全だ」という自分の考えと異なる現象だから。
そのため、異なる現象を否定することで、自分の信念を守ろうとしてしまうんですね。
ビジネスで使える認知バイアス
こうしてみるとデメリットばかりのような認知バイアスですが、正しく知って応用すればビジネスに利用できるメリットもあります。
おとり効果:選択させるコツ
例えば、Aという商品をただ紹介しても、お客がAを選んでくれるとは限りません。
そこで「おとり効果」を使って、わざとAより高い物や、安くて質の落ちる物と比較させ、目当ての商品を選ばせるのです。うな重の松・竹・梅だったら、つい「竹」を選んでしまうのと同じですね。
希少性バイアス:限定は魅力的
「◯◯個限定!」「◯%オフは今だけ!」こんなあおり文句についつい商品を購入してしまうことありませんか?私はしょっちゅうです…。
こうした行動を「希少性バイアス」と呼びます。人は「これを逃がすともう二度と手に入らない物」に対して価値が高いと判断し、なんとしても手に入れようとします。
まとめ:自分は大丈夫?
認知バイアスを読んでみてわかったのは、「人は自分を過大評価しがち」ということです。ああ、これ、私もよく考えてしまいます…。
- 自分の考えは絶対に正しい
- 自分は災害や事件にあわない
- 他人より自分の方が優れているし、がんばっている
しかし、事件や事故に合う可能性はゼロではないし、コロナ禍や戦争など、予想もつかない出来事が起こる現代では「自分は大丈夫」を疑う必要があるのかもしれません。