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人間ドラマ

珠玉の日常短編集『スナック墓場』嶋津輝

私の好みが幕の内弁当のように詰まっていて、読んでいる間、とても楽しくて、ひさびさに「読み終わりたくない」と思いました。 これまで日常を描いた小説はいくつも読んできましたが、『スナック墓場』の短編はどれも幸福と不幸が「いい塩梅」なんです。 普...
作家について

嶋津輝の作品情報をまとめてみた

現在、私が最も推している作家が嶋津輝さんです。まだデビュー間もない作家さんですが、その実力はすさまじく、長編第一作『襷がけの二人』で直木賞候補に。 彼女の作品は、どこにでもいる人々の、ちょっと「普通じゃない」部分が出てきます。 その日常の切...
人間ドラマ

女中文学の源流『流れる』幸田文

幸田文の代表作『流れる』は、1955年(昭和30年)発表。芸者置屋の女中の視点から花街の人間模様が描かれます。 正直、昔の小説なので言い回しがわからない箇所も多いのです。けれど、作中の着物や仕草、人物の描写がすばらしく、夢中で読んでしまいま...
歴史・時代小説

国芳の弟子たち『おもちゃ絵芳藤』谷津 矢車

『おもちゃ絵芳藤』は、幕末から明治にかけて、激動の時代に生きた歌川国芳の弟子たちの物語です。芳藤はおもちゃ絵を得意とする絵師で、彼の視点から物語が語られます。 『おもちゃ絵芳藤』あらすじ 歌川国芳が死に、弟子の芳藤は師匠の葬式を出すため国芳...
歴史・時代小説

平安時代版シンデレラ『おちくぼ物語』田辺聖子

『おちくぼ物』は平安時代、継母にいじめられる姫君を貴公子が救い出して幸せになるという、まさに「平安時代版シンデレラ」のような物語。 現代のラノベ風に言えば「継母にいじめられていた私がイケメン貴族に溺愛される件」といった感じでしょうか。 古典...
作家のエッセイ

千年前も夫への悪口は同じ『蜻蛉日記をご一緒に』田辺聖子

田辺聖子さんの古典解説は面白い。難解なをユーモアあふれる文章で紹介してくれるので、気軽に古典文学を楽しめます。 「蜻蛉日記をご一緒に」は、もともと田辺聖子さんの講演会の内容を書籍化したもの。口語体で書かれているのでわかりやすく、するするっと...
お金

『よくわかる行動経済学』川西諭

経済学と銘打っていますが、実は心理学に近い考え方だと思います。なぜ損をするほど無謀な賭けにでてしまうのか、なぜ無駄遣いをしてしまうのか。 そんな日常のお金の使い方にも役に立つのが『よくわかる行動経済学』です。 そもそも行動経済学とは? 行動...
歴史・時代小説

清少納言と藤原定子『はなとゆめ』冲方丁

冲方丁さんの『はなとゆめ』は、清少納言の枕草子をベースに、平安時代の宮中の様子や陰謀を、史実を交えて描かれた小説。 主人公・清少納言の視点から描かれています。 2024年大河の主役、紫式部のライバル陣営のお話。藤原道長が思いっきり悪役として...
人間ドラマ

『冠・婚・葬・祭』中島京子

冠婚葬祭をテーマにした4つのオムニバス小説『冠・婚・葬・祭』。中島京子さんが冠婚葬祭というテーマから垣間見れる、人生のワンシーンを独特の視点で描いています。 空に、ディアボロを高く 地方記者だった裕也は、成人式の記事に誤報を載せてしまったこ...
作家のエッセイ

『父の詫び状』向田邦子

昔見た向田邦子新春ドラマシリーズは、たいてい戦争前の時代、女系家族の穏やな生活が描かれます。 しかしその一方で、その家の女性が道ならぬ恋に落ちるストーリーに子ども心にスリルとエロさを感じました。 久しぶりにみた向田邦子新春シリーズは、やはり...
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