『たぶんねこ』では、若だんなが珍しく寝付かない日が続いたため、兄やたちに「半年間無理をしないように」と約束させられる。
しかし、両国での仕事探しや、お見合いの仕切り、栄吉の店でのトラブルに幽霊の仕事さがしまで…。若だんなには様々な問題が次から次にやってくるのでした。
特に気になったお話はこちら。
『跡取り三人』
体がめっぽう弱い若だんながふた月の間、寝つかなかった。
この僥倖を逃さぬよう、若だんなを守る2人の兄や(妖怪)は若だんなに、半年の間、おとなしくしているよう約束をさせる。
しかし、寄り合いで若だんなと大店の跡取り息子三人が、両国の大親分、大貞の元で「半月の間に両国で一番金を稼ぐ」という勝負に出ることに。
果たして勝負の行方は…。
若だんなは体は弱いけれど知恵物だから、菓子売りの商売も他と差別化を図って成功しちゃうのさすがだな。
『まんまこと』にも登場する両国の大親分・大貞がこちらにも登場。若だんなたちの技量をためすため、三人を競わせますが、怒った鳴家におかずを食べられてしまいます。
『たぶんねこ』
若だんなの祖母・皮衣とも親しい大妖怪・見越の入道が連れてきた幽霊は、神の庭から江戸に戻りたいという。
ひょんなことから幽霊と共に遠くへ飛ばされてしまった若だんな。幽霊の「生きがい」を探しに夜の街を彷徨うことに。
幽霊の悩み相談にのってあげる若だんな。お人好しなんですが、その縁がまた若だんなを助けてくれることもあるんですね。
さしずめ若だんなは、幽霊やあやかし専門の町名主のようです。
安定の展開
今回は、しゃばシリーズらしいお話でした。安定して面白いのだけど、変化が少ないのがちょっと残念かな。
ただ、そろそろ、若だんなの自身の恋があってもいいのじゃないかと。あやかしたちのことをわかって、それでもお嫁にきてくれるお嬢さんがいるといいのですが…。

