しゃばけシリーズ12『たぶんねこ』畠中 恵

妖怪 ファンタジー

たぶんねこ』では、若だんなが珍しく寝付かない日が続いたため、兄やたちに「半年間無理をしないように」と約束させられる。

しかし、両国での仕事探しや、お見合いの仕切り、栄吉の店でのトラブルに幽霊の仕事さがしまで…。若だんなには様々な問題が次から次にやってくるのでした。

特に気になったお話はこちら。

『跡取り三人』

体がめっぽう弱い若だんながふた月の間、寝つかなかった。

この僥倖を逃さぬよう、若だんなを守る2人の兄や(妖怪)は若だんなに、半年の間、おとなしくしているよう約束をさせる。

しかし、寄り合いで若だんなと大店の跡取り息子三人が、両国の大親分、大貞の元で「半月の間に両国で一番金を稼ぐ」という勝負に出ることに。

果たして勝負の行方は…。


若だんなは体は弱いけれど知恵物だから、菓子売りの商売も他と差別化を図って成功しちゃうのさすがだな。

まんまこと』にも登場する両国の大親分・大貞がこちらにも登場。若だんなたちの技量をためすため、三人を競わせますが、怒った鳴家におかずを食べられてしまいます。

『たぶんねこ』

若だんなの祖母・皮衣とも親しい大妖怪・見越の入道が連れてきた幽霊は、神の庭から江戸に戻りたいという。

ひょんなことから幽霊と共に遠くへ飛ばされてしまった若だんな。幽霊の「生きがい」を探しに夜の街を彷徨うことに。


幽霊の悩み相談にのってあげる若だんな。お人好しなんですが、その縁がまた若だんなを助けてくれることもあるんですね。

さしずめ若だんなは、幽霊やあやかし専門の町名主のようです。

安定の展開

今回は、しゃばシリーズらしいお話でした。安定して面白いのだけど、変化が少ないのがちょっと残念かな。

ただ、そろそろ、若だんなの自身の恋があってもいいのじゃないかと。あやかしたちのことをわかって、それでもお嫁にきてくれるお嬢さんがいるといいのですが…。

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