『ハサミ男』殊能 将之

ハサミ ミステリ・ホラー
ハサミ

ハサミ男』はシリアルキラーが模倣犯を探すミステリ。二重三重に隠されたものが一気に溢れ出した時、驚きの真相が明らかになります。

著:殊能将之
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ネタバレなしの感想

まず最初に思ったのは「どこから…?」です。ラストのどんでん返し的な展開はいったいどこから仕組まれていたのか。正直、前半部分は少し退屈していたのですが、後半は一気に読んでしまいました。

最初はハサミ男と警察関係者、2つの視点が交互に展開し、警察がハサミ男を追い詰めるかと思いきや、まったく別の場面に切り替わります。

後ろに巧妙に隠されていたものが明らかになったときの驚愕と言ったら…!どんでん返しミステリとしてなら『葉桜の季節に君を想うということ』よりもおすすめしたいです。

ハサミ男の意外な正体が明らかになった時は、思わず最初のページから読み直したくなりました。(後日読み直しました)

同じものを見ていても

個人的に、同じ場面を2つ以上の視点で描いているのが興味深かったです。もちろん伏線なんですが、それ以外に目に入るものが同じでも、解釈が全く違うのがとても興味深いのです。

人って、同じものを見ていても受け取るものが全く違う、人の印象も同じく、自分が見たいイメージを相手に投影させるのでしょう。だとしたら、ハサミ男は永遠に捕まらないかもしれません。

ハサミ男が自殺を遂げるか、自然に亡くなるまでは…。

そして、読みながらなぜか『ツイン・ピークス』のテーマソングが頭の中で流れていました。殺された女子高生の裏の顔が明らかになったからかもしれません。

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