「僕僕先生」で美少女仙人と唐時代のニート青年との冒険を描いた仁木英之さんによる、架空の王国を舞台にしたファンタジー小説「高原王記」。
高原王記 あらすじ
高原の国々(三リン国)を妖魔から守る最高の戦士は「英雄」とよばれた。英雄は山の精霊と盟約を結び命尽きるまでともに戦うことを誓う。
英雄タンラは厳しい修行の果てに精霊ジュンガと盟約を結ぶ。けれども、強大な力を持つ光の術師によって心を壊されてしまう。
高原に危機が迫る時、タンラに思いを寄せている竜人の娘・ファムは大総官王の啓示により大総官王の息子と婚姻し、世界を救うとされる英雄を生むことになる。
ごめんなさい仁木先生
「僕僕先生」のほんわかした雰囲気から一転、正当派なハイ・ファンタジーです。ただ、でも「僕僕先生」のイメージで読むと混乱します。そんでちょっと異世界の描写が弱い。
三リン国の人々や聖者、英雄、彼らと契約を結ぶ精霊についてもイメージ不足というか…。
世界観がいまいちよくわからない話でした。設定は面白いとは思うけれど、主人公が誰なんだかもわからない…。
唐時代舞台にした「僕僕先生」は時代の制限があっても自由な筆致で面白かったのに、架空の国の「高原王記」ではその自由さが逆に失われてしまっています。
正直、「僕僕先生」と同じ作者が書いたとは思えない難解さです…。私の趣味にはあわず、申し訳ないです。