奇想天外な空想博物本を発表しているクラフト・エヴィング商會。
「どういうこと?」と思ったら、まずは読んでみてください。
「ないもの、あります」は、本のタイトル通り、ことばの上では存在するけれど、実際に存在しないものをあたかも「ある」ように作ってしまった、いわば架空の商品カタログです。
「左うちわ」などは、あおげだけでお大尽の暮らしが保証されているため、どんな高価なでもほしがる人が後をたたないでしょうが、しかし世の中そんなに甘くはありません。
「左うちわ」はあおいでいる間だけその効力を発揮するため、常にあおいでいなければならないのだそうです。
同様に「助け舟」も「転ばぬ先の杖」も使用上の注意を間違うと、えらいことになりそうです。
でも、こんな「ないもの」が実際にあったとしたら、絶対にほしくなっちゃいますよね。
ここは「財布の紐」を締めておきたいところですが、残念ながらクラフト・エヴィング商會では今のところ取り扱いはないようですので、かわりに「堪忍袋の緒」をきつく締めておこうと思います。
私はこの中では「転ばぬ先の杖」がほしいです。
たとえ、いつも身につけていなければならないとしても…
以前、クラフト・エヴィング商會の吉田篤彦さんの小説「つむじ風食堂の夜」を読んでから、クラフト・エヴィング商會の本も読んでみたくなりました。