『ジヴェルニーの食卓』原田マハ

モネの庭 アート・ものづくり

アートの傍らには常に女がいた。芸術家の美に魅入られて人生を変えた女、傍らで画家たちを見つめていた女、芸術家を支えた女。

ジヴェルニーの食卓』は、女性たちが見つめ、魅入られたマティス・ドガ・ゴッホ・モネと、その作品たちの物語。

著:原田マハ
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美しい墓

1954年。メイドをしていたマリアは、絵画コレクターのマダムから、マグノリアの花を届けにマティスのアトリエへ。

後に美的センスに恵まれたマリアはマティスに気に入られ、そのままメイドとして働くことに。そしてマティスの晩年の制作を見守る。


一度だけ垣間見たピカソとマティスの会合、マティスの日々の制作風景。

美術感覚が鋭い女性が芸術の出来上がる様子をそばで見ていたとしたら…そはきっと、一生かけて守りたくなるでしょうね。

エトワール

ドガの友人で女流画家メアリー・カサット視点。ドガの彫刻『14歳の小さな踊り子』とそのモデルの少女に関わる物語。

この物語で私が感じたのは「切なさ」です。

ドガがモデルとしたバレエの踊り子たちはみな貧しく、主役(エトワール)を夢見ています。それはパトロンである金持ちの愛人になれるから。

小さな踊り子・マリーも生活のため、ドガのモデルをつとめています。

モデルをつとめるうち、マリーは金づくではなく、ドガとその芸術に魅せられてしまう。そこには芸術の苛烈さと残酷さを感じました。

ドガによって踊り子の姿は永遠に残るのに、モデルの少女は行方も知れない。それがとても切ない気がします。

タンギー爺さん

ゴッホ肖像画『タンギー爺さん』のモデル・タンギーの娘からセザンヌへ宛てた手紙からなる物語。

手紙の物語というと『あしながおじさん』を思い出します。でも、手紙の内容はグチと借金の返済要求というところが世知辛いですね。

それというのもタンギー爺さんは画材屋だったけれど印象派の画家たちに心酔していたのです。

彼らに無償で絵の具を提供したり、代金代わりに絵を置いてやったりと、半ば慈善のように画家たちを支えていました。

芸術には、ものすごい力がある。誰かの人生を変えるほどの力があるんだ

画家と彼らの絵を愛しぬきタンギー爺さんの名と肖像は美術界に残りました。ですが、傍らで「生活」を支えなければならない奥さんや娘さんは大変です。

それでも、男たちの夢と情熱を支えたのはこうした名もなき女性たちだったのでしょう。

ジヴェルニーの食卓

マティスの義理の娘・ブランシュの視点から見たモネとその人生。

幼い頃から常にモネの傍らにいた少女は、モネとその芸術環境を守るため、夫の死後モネの助手として常に傍らにいた。

この人もまた、魅入られてしまったんでしょうね。

モネとブラッシュの生活は「アトリエ」と呼ばれる見事なの庭や、食卓を囲む美味しい昼食。さすがフランス。モネ邸で供される食事はどれも美味しそう。

レシピ本は無いかな…と探してみたらありました。モネの愛したピスタチオの緑のケーキも載っています。

講談社
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原田マハ アート小説

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