しゃばけシリーズ『ころころろ』。今回の若だんなは目が見えなくなるという災難に見舞われてしまいます。
しかし、病弱ではあるものの、屈強の妖(あやかし)、白択と犬神に守られている若だんなから目の光を奪うなんて。
いったいどんな力の持ち主なのかというと…。
はじめての
タイトル通り、「若だんなの初恋物語」です。
若だんなが12歳の時のお話で、生目社という目の神様に七宝を奉納する件で相談にきた娘・お沙衣にほのかな思いを寄せます。
七宝の奉納については、あやしげな目医者が仕組んだ詐欺だとわかったのですが、若だんなはお沙衣に思いを伝えることなく失恋してしまいます。
小さい若だんながぽろぽろと涙をこぼす場面がいじらしくって…。
早く若だんなにもいい人があらわれるといいなあ。お比女ちゃんや於りんちゃんといった花嫁候補が結構いるしね。
ほねぬすびと
ある日突然、若だんなの目が見えなくなってしまった。店中のものや妖たちも大騒ぎするが原因がわからない。
間の悪いことに、大名家久居藩から頼まれた贈答用の干物が店の蔵から消えてしまった。このままでは責任問題で多額の金額を払わなければならない。
店が大変な時にふがいない自分を責める若だんなですが、目が見えなくても持ち前の頭脳で干物紛失のからくりと、責任問題をうまくまとめます。
でも、目は相変わらず見えないままです。
ころころろ
若だんなの目の原因は、生目神のへの供物である宝玉が絡んでいて、それを河童が持っていると聞いた仁吉は、河童が捕らえられているという見世物小屋へ乗り込もうとする。
しかし、人形にとりついた少女の霊や、妖が見える子供、果てはろくろ首などの妖怪たちまで仁吉を頼りに来る始末。
普段冷静な仁吉さんが、困った姿が申し訳ないけれど面白い。
けじあり
佐助さんは所帯を持ち、奥さんと店を構えている。
途中まで、『ねこのばば』の短編「産土」のように、佐助さんの過去のお話かと思ったら、どうもしっくりこない。
佐助さん自身も自分の居場所に違和感がある。ある日店のなかに「けじあり」と書かれた紙を見つけて、自分の居場所に疑いを持つようになるのですが…。
ちょっと切ないお話でした。
物語のつづき
ラスボス(?)登場。若だんなの目から光を奪ったのはなんと生目神という神様だった。
供物が持ち去られたせいか、生目神さまは人間に不信を抱いており、若だんなの光を返す代わりに問答に答えろと言いだす始末。
はたして若だんなは神様から目の光を取り戻すことはできるのか…
今回も軽快で楽しいお話が多いのですが、いろいろと考えさせられる部分もありました。
神と人との違い、それは永遠に近い時を生きる神と人間では時間の流れが違うということ。
それは人間である若だんなと、妖たちにも言えることです。
「大丈夫です、我らはずっとそばにおりますからね。」
仁吉がそう言うように、どんなことがあっても若だんなと彼らの絆は切れることがないのでしょうね。仁吉さんの苦い薬をしっかり飲んで、若だんなには1日でも長く生きていてほしいです。
