謎の老婦人『花菱夫妻の退魔帖 四』

香炉 ミステリ・ホラー
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花菱夫妻の退魔帖 四』では鈴子に近づく謎の老婦人、養い親を殺した犯人の手がかり、そして謎の宗教…。夫妻の周囲がにわかに剣呑になってきました。

『花菱夫妻の退魔帖 四』あらすじ

淡路島から戻ってからも、花菱夫妻のもとには「お祓い」の依頼が舞い込んでくる。鈴子は怨霊「淡路の君」を使って霊を喰わすのは、人が犯してはならない行為だと考えている。

ある日、お祓いを依頼された屋敷に老婦人が現れる。彼女は心霊学会を主催する鴻(おおとり)夫人であり、彼女の家は燈火教の教主だった…。

不気味な老婦人

鈴子は姿や言動から相手の思惑を読むのがうまい女性ですが、その鈴子をもってしても、鴻夫人は思惑が読み取れない「うさんくさい」存在です。

夫人は一見優しげで、不幸な女性たちを助ける活動をしています。しかし、その反面、過去の幽霊事件では燈火教に関わった女性たちが命を落とす事件も…。

その上、怨霊「明石の君」を崇拝し、霊を喰わせることも肯定的…というか、それが正義だとすら主張している。

そして、どうやら鈴子の母方の出自を知っているらしい…。どうもこの夫人、夫も含めて花菱夫妻に近づくところが不気味で仕方ありません。

じわじわと鈴子に近づく鴻夫人が、どんな幽霊よりも怖かったです。

養い親殺しの犯人

鈴子は幼い頃、貧民街で自分を育ててくれた養い親を殺される経験をしています。そして、孝冬とともに手がかりである「松印」(華族が持ち物につける印)の華族を探しています。

今回、霊に関わる男が「松印」の華族だと自ら名乗り、養い親とも関連があるようで、彼が本当に犯人なのか、あるいは別の人間なのか、はっきりしないところで四巻が終わります。

早く次の巻が読みたい…!

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