『偉大なる、しゅららぼん』 万城目 学

ファンタジー

京都でホルモー奈良で鹿大阪ではトヨトミと、万城目文学の近畿シリーズ(と、勝手に呼んでいる)「偉大なる、しゅららぼん」の舞台は滋賀。琵琶湖を舞台に異能力バトルが繰り広げられます。

著:万城目学
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偉大なる、しゅららぼん あらすじ

琵琶湖から不思議な力を授かる日出涼介は、力の抑制を学ぶため、高校入学を期に湖西にある日出本家に居候することに。日出本家には、涼介と同じ年の総領息子・淡十郎がいるが、城に住むほどの資産家の長男だけにやることが殿様気質。

おまけに、日出家の積年の宿敵・棗家の息子・広海までも同じクラスで、入学早々、お互いの力をぶつけ合ってしまい、波乱含みの高校生活がはじまる。

マイペースな淡十郎に振り回されながらも、徐々に湖西での生活に慣れていく涼介だったが、ある時、元領主の末裔である涼介の高校の校長から「琵琶湖周辺から一族全員、出ていくように」と勧告される。両家の力をあわせもつ校長は、淡十郎の父親と、棗の家族の時を止め、意識を奪う。

涼介、淡十郎、清子、そして仇敵である棗とも協力し、校長と戦う決意をする。
果たして校長の目的とは?しゅららぼんとはなんなのか?

個性的な登場人物たち

登場人物の中では淡十郎と清子の姉弟コンビが好きです。特に清子。小説のキャラにありがちな際立った美しさが微塵もなく、ぽっちゃり体型、サンダル履き、ヘビースモーカー。

とてつもなく傲慢で周囲(特に涼介)を振り回していくんだけれど、傲慢さだけじゃなくて、自分に課せられた責任を果たそうとする強い意志をもっていて、魅力的な人物です。実際にお近づきにはなりたくないけれど…。

万城目さんの作品は、現実と虚構のはざまがわかりにくくて、読んでいくうちに、いつの間にかそっち側に引きこまれていきます。しまいには、どこまでが現実で、どこまでが空想かわからなくなります。

たぶんそれは、現実や実際の歴史部分の描写がしっかりしているからこそ、成り立つんでしょうね。
それが万城目学作品の魅力なのだと思います。

物語の中で涼介たちがやっていたボードゲーム・カロムも、てっきり空想かとおもいきや、調べたら本当にあるゲームでした。

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