『時計館の殺人』 綾辻 行人

ミステリ・ホラー

時計館の殺人』は、時計塔の館で起こる惨劇を描いた館シリーズ第五段。これはもう、トリックがものすごいのでとにかく読んでほしい。

著:綾辻行人
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『時計館の殺人』あらすじ

少女の幽霊が出るという噂の鎌倉の時計館。その館で三日間、閉鎖された屋敷の中で降霊会が開催される。

参加者は雑誌関係者、霊媒師の女性。そして館に因縁を持つ大学の超常現象研究会のメンバー。

その中には、記者となった『十角館の殺人』の関係者・江南の姿もあった。時計館は、時計塔のある新館、そして時計を模した構造の旧館には108の時計が時を刻んでいた。

完全な密室と化した屋敷で、次々に起こる殺人劇。一方、館の外では作家兼探偵の鹿谷門美が事件に関わることになる。この館もまた、異端の建築家・中村青司の手によるものだからだ。

十年前、当主の娘の自殺、それに関わった少年たちの再訪。当主・古峨倫典の遺した謎の詩…。すべてが明らかになったとき、新たな惨劇が幕を開ける。

常識を覆されるトリック

館シリーズの中で特に『時計館の殺人』のトリックには本当にビックリさせられました。

こんなことってありえるんだ…。

普遍的な常識を根底から覆されました。そして、条件さえ整えば常識と考えているものなんて、こんなに簡単に崩れてしまうんですね。

現実は決して強固な実体じゃない。極論すればそれは、社会というシステムが人々に見せている一つの巨大なシステムにすぎない。

そして、その大胆なトリックを成立させられるだけの根拠と世界観がこの作品には形成されてのです。
十角館の殺人』でも、犯人の正体に驚きましたが、『時計館の殺人』では、常識を覆すそのアリバイにびっくりしました。

これは、最初に謎解きを確認後にもう一度読み返すと、よりトリックの凄さが際立ちます。

最後まで驚きの展開

推理小説ではふつう、犯人とトリックが解明されて大団円。…なのですが、『時計館の殺人』は最後にまた、新たな衝撃が襲ってきます。

殺人事件そのものは旧館で起こりますが、「時計塔」にも謎があり、それが…。もう、この先は読んで確かめてみてください。

綾辻行人作品感想

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