『上海セピアモダン―メガロポリスの原画」 森田 靖郎

歴史本

上海セピアモダン―メガロポリスの原画」は、「魔都」と呼ばれた怪しくも蠱惑的な都市・上海の魅力に迫る一冊です。

上海の誕生から、戦争中や文革まで、現代史とともにモダンな上海をお楽しみください。

著:森田 靖郎
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魔都上海の歴史

上海では阿片戦争後、外国の租界がつくられ、冒険家たちが上海での成功を夢見て渡ってきた時代から始まります。

1930年代には、上海に住む中国人たちが西洋風の都市に反して、快楽や犯罪が支配するアンダーグラウンドな「魔都」を創りだしてゆきます。

この頃の上海は、地方からの労働者や革命家、文化人、秘密結社(!)まで、種々雑多な人々がうごめく混沌とした時代でした。

映画「ラスト、コーション」のように恋愛も革命も暗殺すらも日常茶飯事だったのです。

出演:トニー・レオン, 出演:タン・ウェイ, 出演:ワン・リーホン, 監督:アン・リー
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大世界(ダスカ)」という娯楽施設では、賭博や射的、売春窟など、ありとあらゆる悦楽がそろっていました。大世界の顔役は一方でか秘密結社のメンバーでもあったのだとか。

「魔都」と呼ばれる一方で、上海は流行の発信基地としての役割もになっていました。西洋からはジャズがもたらされ、断髪のモダンガールたちがチャイナドレスを着てデパートで買い物を楽しみました。

映画が始まり、明星(女優)たちの演技や歌に酔いしれた時代でもあります。

この頃の上海は街のどこを切り取っても、映画になりそうな時代でした。やがて日本軍の支配が始まると上海は輝きを失っていきました。

さらに、文化大革命中は上海の退廃的な雰囲気が嫌われ、粛清の対象となってしまいます。

しかし、上海は破壊のたびに不死鳥のように甦り、今また発展を続けています。

センチメンタルでノスタルジック、セピア色をしていてなおかつモダンな都市。懐かしくも妖しい都市の記憶を受け継ぎながら発展してゆく上海。これからもその魅力で人々を惹きつけていくのでしょう。

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