『ケルトの白馬』は、イギリスに残る「アフィントンの白馬」の遺跡をモチーフにした物語。
作者のローズマリー・サトクリフは、ファンタジー作家、上橋菜穂子さんにも影響を与えた作家です。
イケニ族の若者・ルブリンが丘陵に「アフィントンの白馬」を描くまでのエピソードが描かれます。
『第九軍団のワシ』ほど長くないので、さくっと読めます。
「ケルトの白馬」あらすじ
族長の息子、ルブリンは、自然や動物が作り出す「かたち」に興味を持つ子どもだった。そして、そうした「かたち」を独特の感性で描き残すことを好んだ。
また、彼は商人から聞いた先祖の冒険に憧れ、親友のダラと共にいつか旅に出ることを夢みていた。
しかし、ダラが妹の夫が族長の継承者となった後、一族は南からの部族によって壊滅的被害を受ける。
奴隷となったルブリンは、敵の族長にかけあい、丘に巨大な馬の姿を描くことで一族を開放しようと試みる…。
ケルトの氏族とその生活
ルブリンが属するイケニ族は、馬の放牧を行う種族。
馬の女神をまつり、一族の長の継承者は女性。世継ぎの姫と結婚したものが族長となる、女性の血統が重視されています。
他にも、吟遊詩人や賢者(ドルイド)なども登場し、まるで、ファンタジーの登場人物のようでした。
私はもともと、ケルトの紋様のデザインが好きでした。だから、そうした紋様をつくった人々の話にも興味がありました。
紀元前のイギリスでそれらの紋様は、どのように生まれ、かたちづくられていったのか。
ローズマリー・サトクリフは、出土品や遺跡から、当時の人々の物語を紡ぎだすのがうまい作家さんです。
読んでいるとまるで、歴史そのものを垣間見ているような気持ちになれます。
- 『第九軍団のワシ』…ローマ・ブリテンシリーズ一作目。マーカスが軍の象徴・ワシを探す旅
- 『銀の枝』…ローマ・ブリテンシリーズ二作目。マーカスの子孫たちの物語
- 『ともしびをかかげて 上』…ローマ・ブリテンシリーズ三作目。奴隷にされたアクイラの受難
- 『ともしびをかかげて 下』…成人したアクイラはサクソン人との戦いへ
- 『ケルトとローマの息子』…ケルトの氏族に育てられたローマの少年・ベリックの成長譚
