『それいけ!平安部』宮島未奈

それいけ!平安部 小説感想

それいけ!平安部』は、新たに創設した「平安部」の活躍を描く…のですが、でも「平安部」っていったい、何をするの?

成瀬は天下を取りに行く』の宮島未奈さんによる新しい青春小説、あないみじ!

著:宮島未奈
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『それいけ!平安部』あらすじ

過去に「平安顔」をいじられ、コンプレックスを持っていた栞は、高校の入学式で出会った平尾安以加から「平安に興味ない?」とこれからつくる平安部へ誘われる。

もしかして顔で言われた…?と勘ぐったものの、安以加の熱心さと好奇心から平安部に入ることになった栞。

でも、「平安部」っていったい何する部活?

その後、安以加のスカウトによって、元サッカー部の大日向、百人一首部幽霊部員の明石が入部。そして最期に安以加の幼なじみで超絶イケメンの光吉幸太郎が加入。

しかし、部のテーマは「平安の心を学ぶ」というざっくりとしたものだけ。そこで、五人は蹴鞠大会に参加したり文化祭での「平安パーク」を提案したりと、思いついた平安を実践していく。

やがて、文化祭当日。ハプニングに襲われた平安部は無事平安パークを開催できるのか…?

宮島未奈さんの青春小説は最高だ

「成瀬」も「平安部」も、宮島未奈さんの青春小説はやっぱり最高。

ぶっ飛んだキャラクターが生き生きとしてて『鴨川ホルモー』の高校生版みたいな感じ。「ホルモー」ほどは屈折していないですが。

手探りでいろいろチャレンジするのも楽しいし、それぞれが個性を活かして活躍するのも面白い。

そしてみんな(光吉くん以外)、何かしら葛藤を抱えていて、それが平安部の活動によって解消されていくのがいいんですよ。

明石さんは百人一首自体が好きだけど競技かるたは苦手だし、大日向くんはリフティングはうまいけれどサッカー部では補欠。

いつも好奇心(平安限定)のかたまりのような安以加も、中学時代はいじられキャラだった過去がある。

栞はこれといって個性がない(顔は赤染衛門似らしいが)のを悩んでいるけれど、安以加は、

「栞ちゃんがいてくれて、あたしすっごく心強いんだよ」

と、自分の気持ちを告白します。ああ、友情っていいなあ…。

宮島未奈作品感想

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