『成瀬は信じた道をいく』 宮島 未奈

成瀬は天下を取りにいく・ミシガン船 小説感想
成瀬は天下を取りにいく・ミシガン船

前回『成瀬は天下を取りにいく』では、成瀬の個性的なキャラクターが魅力でした。

しかし今回、『成瀬は信じた道をいく』では成瀬と関わる人々が個性的でした。成瀬と島崎のコンビ・ゼゼカラファンの小学生、クレーマーの常連主婦、受験生YouTuberなど。

こうした一癖も二癖もある人に囲まれ、成瀬は信じた道を突き進んでいくのです。

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『成瀬は信じた道をいく』あらすじ

自主的に近所のパトロールをしたり、びわ湖大津観光大使になったりと、成瀬の行動は相変わらず予できない。

大晦日、東京に引っ越した島崎は成瀬に内緒で自宅へ。するとそこで「探さないでください」という書き置きを見せられ、急きょ「成瀬捜索隊」を結成。

成瀬と関わりのある人を巻き込んで、大晦日の大捜索が始まる。一体、成瀬はどこに行ってしまったのか‥。

ゼゼカラファン・北川みらい

成瀬と島崎のコンビ・ゼゼカラのファン、北川みらい。みらいちゃんは学校の課題で地元の人を取材する総合学習で成瀬を取材することに。

みらいちゃんは、堂々としている成瀬を憧れているようです。インタビューで「成瀬さんは何になりたいんですか?」と聞くと、成瀬はこう答えています。

何になるかより、何をやるかの方が大事だと思っている

まさにこれが、成瀬の人生の指針なのでしょうね。チャレンジの種をいくつも植えて育ったものを伸ばしてゆく。そうやって物事がつながって、いつか目標にたどり着くのでしょう。

びわ湖大津観光大使・篠原かれん

成瀬の周りの人々がぶっ飛んでいました。母と祖母から「びわ湖大津観光大使」になるために英才教育を受けた篠原かれん

そんなかれんも、同じく「びわ湖大津観光大使」になった成瀬と行動を共にするうちに、本当にやりたいことが見えてきます。

成瀬自身は相変わらず、自分のやりたいことを貫いているだけなんですけどね。

それにしても、娘を観光大使にするだけでなく、就任後は四代目の観光大使を産めと迫るかれんの母と祖母はだいぶイカれているなあ。

クレーマー・呉間言実

呉間言実はフレンドマート大津打出浜店でクレームを繰り返す主婦。クレームを書くためにマイボールペンを持ち歩くほどの熱の入れようですが、一方でクレーマーを辞めたいとも思っています。

そこに、同じ店でアルバイトをしている成瀬と出会い、ある頼み事をされるのですが‥。

クレーマーの常連て!他にやることがないのか‥と思うのですが、クレーマーであろうとも人の本質を見抜いて声を掛ける成瀬ってすごいな。

ゼゼカラ最高

最後の話「探さないでください」での、いなくなった成瀬を探すエピソードは成瀬と島崎の強い絆が感じられました。ゼゼカラ最高だわ。

今後も成瀬は信じた道をいき、周りを巻き込みつつも島崎はそれを見守っていくのでしょう。二人の今後の活躍も読んでみたいものです。

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