『サンドの女 三人屋』は、商店街で三形態の店を営む三姉妹と、彼女らに関わる男たちの物語。前作『三人屋』から数年後のラプンツェル商店街が舞台です。
『サンドの女 三人屋』あらすじ
ラプンツェル商店街の三人屋は、朝(モーニング)、昼(うどん)、夜(スナック)を三姉妹が経営している。
しかし朝担当の三女・朝日の就職により、三人屋は昼の玉子サンド、夜のスナックに変更。しかし、三姉妹と商店街の人々は変わらぬ日々を過ごしていた。
スナック経営の夜月はヒモを囲い、バツイチのまひるには年下の彼氏ができる。そして三女の朝日は結婚が決まり、商店街を去ることに。
いつまでも変わらないかと思っていた商店街の店と三姉妹。しかし商店街の人々も徐々に変化してゆく。
そして、夜月はヒモの小説家志望の一也にプロポーズされ…。
三姉妹と男たち
ラプンツェル商店街の人々は相変わらずですが、それでも街は少しずつ変化していきます。
夜月はヒモ男にプロポーズされるが、彼が文学の有名な賞を取ったことで、マスコミから身を隠すことに。しかし、いつまでも帰ってこない。前回のようにフラっといなくなってしまいます。
スナックで飲み食いして商店街のメンバーと他愛もない話をする。そんな日常が突然なくなってしまい、男たちは寂しさを感じます。
そんな変化しない男たちを尻目に、三姉妹は自分のやり方で幸せをつかんでいくのが対照的でいた。
『三人屋』は登場人物の男たちの名前と年が章タイトルになっていて、ラストの名前が最初と同じ。これで三人屋の物語が完結したことが感じられます。ラプンツェル商店街に幸あれ。
前作『三人屋』はこちら。でてくるご飯が美味しそうです。
ひとつだけ気になったのは、人物設定がちょっと被り過ぎかな。ゲイの青年、作家志望の青年など、人物設定が『古本食堂』と似てるんですよね…。
別系統の物語だし、性格も違うので同じ感じはしませんが、そこだけちょっと気になりました。