まんまことシリーズ2『こいしり』畠中 恵

まんまことイメージ 小説感想

『まんまこと』に続き、町名主のお気楽息子・麻之助の活躍を描いた続編『こいしり』。麻之助もとうとう年貢の納め時、婚礼を行うことになって…。

著:畠中 恵
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まんまことの背景

江戸の町名主とは、奉行所に変わり町内のもめごとを裁定するお役目を持つ家柄。

現代では民事関連の裁判所のようなものでしょうか。

その町名主、高橋家の跡取り息子・麻之助は昔は生真面目な若者だったけれど、今ではすっかりお気楽な道楽ものに成り下がっています。

麻之助の婚礼

そんな麻之助も今回とうとう嫁取りをすることになる。相手は友人の同心吉五郎の親戚にあたる武家の娘・お寿ず。

しっかりものの嫁をもらってすこしはしゃんとするかと期待された麻之助だけれど、相変わらずお気楽な調子。

とはいえ、町名主の家には、猫の貰い手探しや、無くしたお守りの持ち主を決めたり、生真面目な店主に遊び方を指南など、様々なもめごとが持ち込まれてきます。

『こいしり』も『まんまこと』も、麻之助がうまいこと謎を解決する面白さと、麻之助の思いきれない思いが、ちらりと垣間見えるところが軸になっています。

麻之助は親友・清十郎の義母、お由有をのことを心の隅で思い続けています。いろいろな事情で幼なじみでもあったお由有の、手をとることができなかった後悔とともに。

そして麻之助の奥さん、お寿ずさんはどうやらそれに気が付いているらしいのです。思いきれない思いの果てはいったいどうなるのでしょう。

これはひと波乱ありそうな…。

ドラマ『まんまこと麻之助裁定帳』

NHKでドラマ化された『まんまこと麻之助裁定帳』。シリーズ『ときぐすり』の前半部分までがドラマ化されています。

福士誠治さんのひょうひょうとした麻之助、桐山漣さんのイケメン清十郎、趙珉和さんの男らしい吉五郎のトリオが痛快でかっこいいドラマでした。

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