『しあわせのパン』 三島 有紀子

しあわせのパン・舞台 小説感想
しあわせのパン・舞台

しあわせのパン』は映画のノベライズ本です。巻末には映画で重要な役割を持つ童話『月とマーニ』もカラーで掲載されています。

北海道・月浦でカフェ・マーニを営む水縞くんとりえさん、カフェを訪れるお客さんたちの物語を、四季を通じて丁寧に描いたすてきな物語です。

小説『しあわせのパン』感想

映画に劣らず、小説もとてもよかった。
登場人物たちの設定や心情を深く描写していて、映画をより楽しめる物語になっています。

小説では映画に登場する料理の詳しい説明があったのもうれしい。

未来ちゃんとパパが食べていたコロッケは百合根で作られていたものだとか、誕生日ディナーのメニューなど、読んでいるだけでおいしそうなんです。

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カラマツのように君を愛す

映画ではあまり語られなかった水縞くんとりえさんのお話。実はこの2人、月浦に来るまで数回しか会ったことがなかったのだそうです。

でも水縞くんはりえさんのことをとても大事に思っていて、でもその思いは、りえさんに伝わってはいても、りえさんの心はときどき悲しみに満ちてしまう。

カラマツは開拓地に最初に植えられる木。りえさんを、カラマツのようにゆっくりと見守っていく水縞くん。やがて水縞くんの思いはりえさんに届き…。

映画ではそのとき、大泉洋さん演じる水縞くんが、泣きそうで、でもうれしそうな表情をしていたのは、前のりえさんのセリフがあったからなのだなあ…。

そこから2人の新しい関係が始まってラストシーンにつながるのか、と映画のシーンを思い浮かべながら読み返しました。

映画も素晴らしかったです。感想はこちら。

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