俳優大泉洋さんの『大泉エッセイ僕が綴った16年』、面白いです。
水曜どうでしょうの話、家族の話、大泉さんが旅で遭遇したおもしろい人々の話など。
それをいつものボヤキ口調や、時にマジメな文章で綴られています。

しかしなぜ私は、こんなに面白いエッセイを今まで読んでこなかったのか?その原因は『水曜どうでしょうアフリカ編』にあります。
アフリカ編を見た人ならわかるでしょうが、大泉さんはキリンなど野生生物を写している脇から、ちょいちょいこの本を出してくるのです。
内容に集中したかった私は食傷気味になり、逆に「読むのめんどいわ…。」と思ってしまったのです。
大泉さん、過度の宣伝は時に逆効果になるんですよ…。
大泉家の話
古くから大泉洋ファンの方や、水曜どうでしょうを見ていた方にはおなじみ・祖父の恒三さん。おじいちゃんの面白エピソードは何度も登場します。
- 留守電の保留を覚えず、「洋ちゃんいるのか~!」とこちらの声が丸聞こえ
- 保留を覚えても解除できず、相手はずっと待たされる
- 夏は玄関先で涼んでいた恒三さん。客が扉を開けるとびっくり!
面識のないおじいちゃんをここまで親しみを持つなんて、『鉄腕ダッシュ』の明雄さんか、恒三さんくらいのものでしょう。
恒三さんは生前から大泉さんに「あんたのくだらない番組」と、憎まれ口を叩いていた割に、水曜どうでしょうを欠かさずみている、一番の理解者であったのだとか。
他にも、家族旅行で「俺はのんびり過ごす」と言ったそばから、テニスに水泳、あらゆるアクティビティを(家族を押しのけて)参加する父。
ディズニーランドを全力で楽しむ兄(2025年現在、函館市長になられてます)。
「この家族にして大泉洋あり」だな、と思いました。
そんな大泉家をモデルにしたドラマ『山田家の人々』。後日譚がファンクラブイベント「CUE DREAM JAM-BOREE 2006」で舞台化されました。

旅の話
エッセイを読むと、水曜どうでしょうなど番組以外でも大泉さんはちょこちょこ旅に出ています。しかし、そこは大泉洋。旅には何かしらのトラブルがつきまといます。
- 若い頃の関西旅行、お金を使い果たして飛行機に乗れず、母親に空港までお金を払いに来てもらった
- 調べたのにも関わらず、どこへ行っても、お目当ての店が空いていない
『水曜どうでしょう』の最新作、アイルランドの旅でも、スマホで調べた店がことごとくクローズだった大泉さん。
普段からこうなんですね…。
水曜どうでしょうの話
水曜どうでしょうといえば大泉さんのほか、「藤やん(またはヒゲ)」の藤村D、「うれしー」こと嬉野D、大泉さんの所属事務所の社長(現会長)である「ミスター」。この3人も個性豊かな面々です。
大泉さんと舌戦を繰り広げる藤村Dですが、大泉さんの結婚式でご祝儀を袋に入れてしまったため、別に会費もとられてしまったそう。(北海道の結婚式は会費制、ご祝儀は別)
その事をスピーチでぼやくという、楽しい式になったそうです。
エッセイではこれまであまり語らなかった『水曜どうでしょう』の思いを語っています。
台本のない中でうまれるストーリー(ムンクさんなど)、カメラが自分に向かないことが面白い会話を生み出すこと。
大きくなりすぎた「どうでしょう」への葛藤などなど、大泉さんのどうでしょうへの思いが詰まっています。
世の中が落ち着いたらまた4人で旅に出てほしいです。