水曜どうでしょうファンの心理カウンセラーが、まじめに「水曜どうでしょう」を研究した『結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ』。
どうでしょうファン必読、これを読めば、水曜どうでしょうの面白さがなんとなくわかる…かもしれません。

「なんとなく」ってのがまた、水曜どうでしょうらしいのですが。
「物語」と「メタ物語」
水曜どうでしょうの面白さの解説のひとつに「物語」と「メタ物語」の2層構造にあると、佐々木先生は解説しています。
- 「物語」…通常の企画。サイコロの旅や四国八十八ヶ所などに行って目的を遂行すること
- 「メタ物語」…「物語」を撮りに行く男たちの周りで起きる物語
例:画面に映らないで藤村Dと大泉さんとが言い争いをするシーンなど
普通では見せない裏の部分を「物語」として成立させている。それが、水曜どうでしょうの魅力のひとつ。
水曜どうでしょうのヒット以降、裏方であるスタッフが画面に写ったり、番組に関わった映像が多くなりました。
でも、それらの番組と水曜どうでしょうが決定的に違うのは、水曜どうでしょうは「メタ物語」がきちんと構築されているから、なのかもしれません。
水曜どうでしょう4人の役割
水曜どうでしょうの4人はそれぞれの役割がきっちりしています。全員がそれぞれのポジションにいるからこそ、水曜どうでしょうは面白さを発揮するのです。
普段は目立たない(ように見える)ミスターは画面を突き抜けて先へ行くことで物語に広がりを与え、嬉野Dは視聴者の方へ物語の広がりを見せている。
そう解説されると、確かに納得。4人がそれぞれ、異なる役割を持つことが面白さへつながっているのでしょう。
特にサッカーのポジションに例えた4人の役割が大好きです。確かにうれしーは「シカでした」など、衝撃を放つ一言が多い。
- ・大泉洋…攻撃(口撃)の要FW
- ・藤村D…攻撃参加型DF
- ・鈴井貴之(ミスター)…シュートコースをつくりだす達人(MF?)
- ・嬉野D…安定のGK。しかし時にダイレクトでシュートを放つ豪快さをもつ
水どうファンは「旅の仲間」
水曜どうでしょうが見せる「物語」と「メタ物語」の二層構造は、視聴者が一緒に旅をしているような「体験」をすることができる。
水曜どうでしょうは、共有することができる「旅の思い出」なのです。だから分かる人にはわかるし、わからない人に説明するのが難しい。
この解釈いいですね。たしかに、水曜どうでしょうのステッカーがある車を見かけると、なぜか嬉しくなりますし。
実は、うちの車にも水曜どうでしょうステッカーが貼ってあります。
この本を読んでから水曜どうでしょうを観返すと、普段とはまた違った楽しみ方ができます。「あ、ここがメタ物語の方だな」とか。
でも、やっぱり水曜どうでしょうは、食事の時とか、寝るまえにぼーっと、何も考えずに観るのに限ります。
じゃあ、解説なんていらないじゃないか、ということになりますが、水曜どうでしょうの面白さの解説を読むと、無性に水曜どうでしょうが見たくなるんです。
