『シネマ食堂』は、読んでいるだけで幸せな気分になれる料理本です。
飯島奈美さんは『かもめ食堂』、『めがね』、『南極料理人』など、数多くの映画の料理(それも、とびきりおいしそうな!)を手がけたフードスタイリストさんです。
飯島さんがつくる料理は、映画を観ていておもわず「おいしそう!」と思う他に、すごく料理に「品がある」感じがします。
誰かのために心を込めて、時間をかけてつくる、色どりよく盛りつける。
とても普通なことだけれど、でも雑多な日々を送っているとなかなかできない、だから憧れる。
そんな料理とレシピの数々が「シネマ食堂」の中にはぎっしり詰まっています。
「かもめ食堂」のおにぎり、「めがね」のちらし寿司、「プール」の揚げバナナ、担当された映画のレシピのほかにも、有名な映画にでてくる料理も再現されています。
そのほか、有名な映画『クレイマー、クレイマー』のフレンチトーストや、『初恋のきた道』のきのこ餃子など、映画のなかで美味しそうな料理がこの本を見れば、実際に作れるのです。
変わったところでは漫画『きょうの猫村さん』のネコムライスまで!これはネコムラーにはうれしい!
本のデザインもシンプルだけど美しくて、すっきりして品がある。飯島さんの料理にぴったりデザインですね。
『シネマ食堂』は読んで実際に映画に出てきた料理をつくるもよし、ただ眺めて映画のワンシーンを思い出してもよし。
いろいろな楽しみ方ができる本だと思います。

