『香港セピア物語』大村 真紀

香港 旅の本

ノスタルジックな雰囲気をもつ、都市の歴史を読むのが好きです。『香港セピア物語』は、香港のはじまりから、成長までの歴史をまとめた本。

著:大村 真紀
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作者の大村真紀さんは紀行作家なので、まるで昔の香港を旅しているような、小説を読んでいるような感覚で楽しめました。

香港の歴史

香港のはじまりにはアヘンが関わっていました。

アヘン戦争で譲渡された香港は岩だらけの田舎で、価値といえば優良な港だけ。そんな荒地の香港を、イギリス人商人たちがアヘンで得た富で香港を都市としてつくりあげていきます。

イギリス人は自分たちの文化・風俗をそのまま香港に写しこみ、英国式の建物を建てアフタヌーンティーを楽しみます。

大陸から流入してきた中国人を安い賃金で差別しながら…。

愛された香港

また、香港には革命家たちも愛した街でした。

孫文は革命の準備を香港ではじめ、高杉晋作や幕末の志士も欧州へ向かう途中に香港へ立ち寄ります。新しい思想を受け入れる土壌が香港には育っていたのでしょうね。

そして、香港の華やかな時代が始まります。ペニンシュラホテルの開業、中国人の富裕層の誕生、女性たちは流行のチャイナドレスに身をつつみ、ホテルではダンスやパーティーが行われます。

戦争の影が迫る上海を抜け出し、作家や文化人も香港へ。

ラスト、コーション』の原作者・張愛玲(アイリーン・チャン)も、美しい香港の町を舞台とした恋愛小説を書いています。

当時、国際都市として都会的だったのは上海の方で、香港はまだ田舎のリゾートだったそう。今ではかんがえられませんね。

1950年代の香港を舞台にした映画『慕情』でも、レパレスベイなど、美しい香港の風景が写されています。

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