浮世絵ファッションを現代のイラストで再現『お江戸ファッション図鑑』

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浮世絵

お江戸ファッション図鑑』は、町娘から花魁、庶民から大名まで。浮世絵に描かれた幅広い身分のファッション、髪型を紹介したイラスト本。

イラストも美麗だし、年代別に髪型やファッションを紹介しています。これがめちゃくちゃわかりやすい!

この本を読んでから2025年の大河ドラマ『べらぼう』を見たら、より理解が深まるんじゃないかなと。

著:撫子 凛, 監修:丸山伸彦
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お江戸ファッションアイテム

お江戸ファッション図鑑』では、時代や身分ごとの着こなしのほか、流行の柄や文様、ヘアアイテムやメイク道具、小物類まで細かく紹介されています。

着物の柄

インフルエンサーが身につけたものが流行るのは江戸時代も同じ。歌舞伎役者が用いた柄はそのまま役者の名前をとって「中村格子」「菊五郎格子」などと呼ばれ流行しました。

今でもみかける「かまわぬ」の模様などもこの頃からあるんですね。

花魁ファッションの変遷

吉原の花魁は当時のファッションリーダー。通常、私たちがイメージするのは、大きな髷にたくさんの簪をさした花魁ですが、この姿は江戸の後期になってからです。

小袖と結い髪が主流の江戸初期

この頃のファッションはまだ室町風。袖口が小さい小袖と呼ばれる着物に細い帯を合わせます。扇を持って踊る姿も描かれているので、わりと動きやすい服装だったのでしょう。

ヘアスタイル

垂髪や唐輪とった、結ぶスタイルが主流だった江戸初期。その後、いわゆる日本髪の島田髷などに変化していきます。

島田髷と打掛の江戸中期

室町スタイルのから、大きな帯や豪華な打掛へと変化してきた江戸中期。この頃から遊女の帯は前結びが主流になります。

ヘアスタイル

蔦屋重三郎や喜多川歌麿が活躍した頃の吉原では、櫛を髪に刺し、簪を刺すスタイルが定着。

髪の毛一本一本が透けて見えそうな「勝山」と呼ばれる髪型は、歌麿の浮世絵にも表現されています。

豪華に進化した江戸後期

中期からさらに豪華に進化していきます。そして打掛や中着は引きずるほどに長く大きく、華麗な刺繍や染で彩られます。

ヘアスタイル

後期になるにしたがって、髪型は伊達兵庫とよばれる大きな髷になります。頭には大きな櫛と、何本もの簪が。これはきっと、頭が重くて首が疲れたことでしょうね。

あらゆる身分の江戸ファッション

この本では、町娘から大名の姫、夜鷹から花魁まで身分を問わず江戸の風俗を紹介しています。中には「陰間」「色子」といった春を売る少年たちの姿も。

陰間たちは女性の着物を着ていて、一見見分けがつかないんですが、髷の結い方や帯やが女性とは違うんです。

また、最下層の売春婦である「夜鷹」の姿も浮世絵に残っています。身分差はあれども、こうしたマイノリティーもこぼさず描いているのは、江戸時代の浮世絵の懐の深さを感じます。

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