『JK、インドで常識ぶっ壊される』のJK視点で語るインド体験は、インドが苦手な私でも夢中になる新鮮な魅力がありました。
インクレディブル・インド
『JK、インドで常識ぶっ壊される』を読んでいると「え??」「うそでしょ?」と思わず声が出てしまいます。
道を歩く牛、車の窓に寄る物乞いの子ども、蜂の巣を素手で取る男など、日本の常識がぶっ飛ぶ出来事が満載。
デリーは大都市なのに、ランニング中に猿の大群や時には象と出くわしたり。まさにインクレディブル・インドという感じです。
そんなインドでの体験を、当時のJK語を交えて書いてあるのがユニークで臨場感がありました。
ドライバーとメイド、そしてスラムの子どもたち
インドに住むようになって著者が驚いたのは、使用人を雇うことでした。
運転手のモハンも家政婦のブミちゃんも親切で明るく、数カ国語を話すし、仕事もプロフェッショナル。家政婦のブミちゃんに至っては天ぷらなど日本料理も得意というからすごい。
しかし、そんな彼らでさえ「雇われる立場」であることに格差を感じてしまいます。
そんな中、彼女はクラブの活動でスラムの子どもたちと出会い、現状を知ることで「なにか自分にできることはないのか」と考えるようになります。
JKにしかできないこと
さまざまな体験を通じて、彼女はインドから自分が得たものと、インドの人々に何が返せるかを真剣に考えるようになります。
そして、コロナ渦の中で本を出すことを思い立ち「出版甲子園」に応募します。その中でゲスト審査員、林真理子さんの言葉が印象的でした。
「これまでインドはおじさんばっかりが書いてきた。女子高生が描くインドなんてなかったことに自信を持つように。」
確かにこれまで自分探しや現地トラブルを書いた本はありました。けれど彼女はインドと関わり、「インドのために何がしたい、そのために本を書こう」と考えるんです。
子どものように無力ではなく、大人のように諦めない。そこが自分のためのインド本との決定的な違いなのかもしれません。
インドが好きかと聞かれれば
正直、私はインドが苦手です。男尊女卑だし、カーストあるし、インドカレー苦手だし、汚いのも嫌。
読み終わっても、やっぱり私はインドが苦手な気持は変わりませんでした。ただ、この本を読んでもっとインドのことを知りたくなりました。
そして、熊谷はるかさんの今後の活動にも。