『優しい音楽』瀬尾まいこ

優しい音楽 人間ドラマ
優しい音楽

瀬尾まいこさんの本を読むと、いつも優しい気持ちになれます。『優しい音楽』はどこにでもいそうな恋人達の、愛しくてせつなくて、ちょっと笑える物語。

「恋人達」の話と見せかけて実は「家族」を描いているのが、瀬尾まいこさんらしいですね。

著:瀬尾 まいこ
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優しい音楽

駅のホームで突然見知らぬ女性・千波から声をかけられたタケル。それがきっかけで付き合うようになったふたりだが、彼女はタケルを家族に会わせたがらない。

それには彼女の悲しい過去が関係しているのだけれど…

春、戻る』と同じく不思議な展開で始まる『優しい音楽』もまた、読み進めると切なくも温かい展開になっていきます。

物語を最期まで読むと、タイトルの意味がわかります。タケルが千波の家族を思いやる姿に『賢者の贈り物』を思い出しました。

お寿司の食べ方みたいな何気ない生活習慣の違いに驚いたり、家でだらだら過ごしたりする恋人達の日常の様子にほっこりします。

タイムラグ

不倫中の彼、平太の娘を旅行中預かることになってしまった深雪。平太の娘・佐奈に「お願い」されて、母親との結婚のことを許していない祖父のところへ説得をしに乗り込むことに。

途中まで「平太(不倫中の男)はなんて嫌な奴だ!」と思っていたけれど、平気で不倫相手に娘を預ける平太にもだんだんといい部分が見えてきます。

深雪と佐奈が、おっかなびっくりながらも距離が縮まっていくところが、なんともかわいらしい。

そして佐奈ちゃんが成長した時、父親と深雪の関係に気づいたりするのだろうか。そうだとしても、いい思い出として残って欲しいし、彼女が家中の時計を贈らせるようなことにならないで欲しい。

そして平太はもう少し反省したほうがいい。

いずれにせよ「不倫カップルとその家族」でドロドロ以外の物語がかける瀬尾まいこさんは偉大だ。

ガラクタ効果

ガラクタ集めが好きな恋人、はな子が「拾ってきた」のはなんとおじさん。おじさんは、佐々木さんといい、大学をリストラされた元教授。

離婚して一文無しになったため、ホームレス生活をしていたところをはな子に拾われたのだという。

知識はあるけれども、どこか社会とずれている佐々木さんがとてもかわいらしいんです。

佐々木さんの指導で年賀状を書いたり、書初めをしたりと、いまどきの若者カップルと佐々木さんとの共同生活にも新しい発見があり、マンネリ気味のカップルにもいい影響を与えてゆきます。

佐々木さんの今後に幸あれ。

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