『科学がつきとめた疑似科学』は、巷にあふれる疑似科学に騙されないための科学リテラシー本。イラスト入りなので難しい科学もわりあい簡単に読めます。

科学には「完璧」はない。なぜなら科学は反証できることが大前提だから。しかし世の中には確実性を謳った疑似科学があふれています。
疑似科学とは
疑似科学とは「科学的な言説を持っているにもかかず、諸条件の評価が全体にわたって低い」、科学以前のものを指します。
ただし、科学と疑似科学境界線はあいまいで、反証やデータによっては覆る可能性もあるのですが、一部の評価を課題解釈した疑似科学が世の中には溢れているんです。
水素水もブルーライトも実は疑似科学
世間でまことしやかに「効く!」と売られている商品も実は疑似科学。一部で効果が検証されたにすぎません。
- ブルーライトの目への影響は実のところ不明
- マイナスイオンは砂漠の方が多い
- 水素水はそもそも理論的におかしいし、検証データもない
- 機能性食品は少ないデータでも登録可能
トクホ(特定保健用食品)に関しては検証データがしっかりしているのである程度安心だそう。データ検証が少ない機能性食品は「効いたらラッキー」くらいな感覚で使うのが良いのかもしれません。
最も信頼できないのが専門家
『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』にもありましたが、私たちは権威を「絶対的なもの」として捉えがちです。
これを確証バイアスといい「専門家が言うのだから間違いない」と考えてしまうのです。でもそれって実は危険な考え方なのですって。

専門家も「個人」なのだから、データの裏付けのない個人の意見を鵜呑みにしないことが大事。実際エビデンスピラミッドと呼ばれる信用性を示したグラフでは専門家は最下位なんです。
だから、マスコミのコメンテーターの意見よりも、きちんとしたデータを調べたほうがよさそうです。
人は信じたいものを信じる
心理的に人は、自分の都合の良いデータ目に入らない傾向があります。
また、悪い情報の方が心に残りやすいので、「牛乳は体に悪い!」「電磁波でがんになる!」などショッキングな内容を信じやすいため、そうした情報はすぐに信用せず、データを確認してみたほうがいいでしょうね。