『山海経』とは、中国の古い書物で、「●●という地方には、こんな動物や植物がいる。」という一種の生物図鑑です。しかし、中に書かれている生き物たち、かなり奇想天外です。
例えるならハリー・ポッターの『幻の動物とその生息地』に近いかもしれません。
たとえば『山海経』ではこんな感じで紹介されています。
- その人となり胸に穴がある(貫匈人)
- その人となり翼があり、人面で鳥の嘴、魚を捕う(讙頭)
顔が3つある人(三首人)や足の生えた魚なども登場します。そして、ここでは神も異形。
帝江という神は六つの足、四つの翼をもつ面が無い。ほかにも形天という神には首がなく、お腹の部分に顔があります。
その姿は奇想天外で不可思議でユーモラスなのです。
『山海経』の解説文はなんと、水木しげる大先生です。
はたして古代中国の人々はどんなものを見て、こんな奇想天外な生き物達を想像することができたのでしょう。
けれど、実は古代には実際に不思議なものたちが存在していたのかもしれない。
そう考えたほうがきっと楽しいですね。
十二国記の参考書
『山海経』に記載された生き物の中には『十二国記』で妖魔や妖獣として登場するものも多くいます。(駁、天馬、三騅など)
山海経を「参考書」として十二国記と一緒に読むと、妖魔や妖獣たちの特徴がわかります。
パラパラとページを読みながら、どこか遠くの国の不思議な生物たちに思いを馳せるのもいいかもしれません。
こちらもおすすめ。『沈黙の王』は殷王朝時代、文字を発明したと言われる王・武丁の冒険物語です。歴史小説ではありますが、ファンタジー要素もあり、十二国記好きな人にもおすすめしたい小説です。