『レヴォリューション No.3』金城 一紀

レヴォリューションNo.3 小説感想
レヴォリューションNo.3

レヴォリューション No.3』は読んだ後「うおぉーーー!!」と叫びながら走りだしたくなる。たとえそれが、私のようなオバちゃんでも。

ゾンビーズシリーズ第一弾、新宿の落ちこぼれ男子校に通う「ザ・ゾンビーズ」の仲間たちの物語。

『レヴォリューション No.3』あらすじ

「君たち、世界を変えてみたくはないか?」

生物の教師の言葉に突き動かされ、窮屈な階級社会に風穴をあけるべく結成されたのがザ・ゾンビーズ。

彼らの「努力」とは、ガードが厳しい優秀な名門女学校の学園祭に潜入すること。あわよくば女子とカップルになる)というものだった。

高校三年の秋、彼らの最後の挑戦がはじまる。

ラン・ボーイズ・ラン

死んだ友達の墓参り旅行の費用をカツアゲされた山下。ザ・ゾンビーズの面々は相手に殴りこみをかけることに。

異教徒たちの踊り

ストーカーに付きまとわれる女子大生のボディーガードをかって出る。ストーカーの相手は意外な人物で…。

愛しき落ちこぼれザ・ゾンビーズ

とにかくまあ、アホです。でも愛すべき男の子たち。彼らの「ちょっとした冒険譚」は読んでいる私も若返ったような気持ちになりなりました。

そして、思わず走り出したくなるのです。

この世代の男子らしく、神経が下半身に集中しています。文中になんども「○○○○」という言葉が出てくる(笑)。

でも、それは単にエロなだけじゃない。ザ・ゾンビーズの男たちのソウルをも詰め込んだ器官のように思えてきます。

ヒロシと南方が病院の屋上で雨の中立ちションするシーンは、映画のワンシーンのよう。

学歴や階級重視の世の中を自分たちの流儀で風穴をあけ、走り続けるゾンビーズ。彼らの「ちょっとした冒険」は大人をもワクワクさせてくれるんです。

それは、自分が大人ってことを忘れて、思わず走り出したくなるほどに。

文庫も出ていますが、私は単行本がおすすめ

最後のページに金城さんのラクガキされたプロフィールがかっこいいんです。

金城一紀作品感想

  • GO』…在日コリアンの少年杉原の恋と暴力、葛藤の青春。
  • レヴォリューションNo.3』…ザ・ゾンビーズシリーズ第一弾。君たち、世界を変えてみたくはないか?
  • 友が、消えた』…ザ・ゾンビーズシリーズ後日譚。一人になった南方の奮闘

タイトルとURLをコピーしました