俳優・小林聡美さんのエッセイ『茶柱の立つところ』。日々の出来事がコミカルに描かれています。今回、久しぶりに読んだけれど、肩肘張らない感じがとてもいい。
ポチップ
肩肘張らないエッセイ
若い頃やマダム時代も、日常をコミカルに描いていた小林聡美さんのエッセイ。そして今回の『茶柱の立つところ』では文章が洒脱というか、面白みが増していました。
老眼で見えない苦労を切々と語ったかと思えば、友達とのバスツアーで「おつまみこんぶ」を内緒で分け合ったり。失敗や普段の生活を包み隠さず書いています。
もう大女優さんなのだから、さぞかしおしゃれな生活をしているんだろな…。と思いきや、その生活は実にシンプル。
健康維持もピラティスではなく健康体操ですし。
老いを見つめる
おそらくほかの俳優さんだったら、「年より若く、美しく生きる」みたいなエッセイになっていたでしょう。でも、小林聡美さんひと味違うのです。
インフルエンザにかかった時、一人暮らしの不安を感じたこと。また、年を取った兄弟がが同じ顔になってきたことなど、日常の老いをコミカルに、そして正直に書いています。
お姉さんが職場で「小林聡美さんに似てますね」と言われて「誰それ?」とすっとぼけた話が最高でした。
私はユニークな文章に笑いつつも、彼女の「老いの見つめ方」に感銘をうけました。
加齢を嫌がったり、抗ったりせず、「こういうものなのか」と少しずつ受け入れていく感じがすてき。
この人がもっと年を取った時に、何を感じて、どんなことを書くのか、今から楽しみです。
小泉今日子さんと共演したドラマ『団地のふたり』も、同年代の女性を演じていて面白かったなあ…。
Writer:原作・脚本|藤野千夜, Writer:原作・脚本|吉田紀子, 出演:出演者|小泉今日子, 出演:出演者|小林聡美, 出演:出演者|丘みつ子, 出演:出演者|由紀さおり, 出演:出演者|眞島秀和
ポチップ