『メロディ・フェア』宮下 奈都

コスメイメージ 日常系
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『メロディ・フェア』は、普通の人たちのなにげない日常を描いた宮下奈都さんの小説。タイトルのメロディ・フェアは、物語の舞台となるショッピングモールで流れる音楽だそうです。

『メロディ・フェア』あらすじ

故郷との福井に戻り、ビューティーアドバイザーとしてショッピングモールに配属された結乃。

結乃は化粧品、特に口紅が好きで、人をキレイにする仕事が好き。しかし、なかなか売上を伸ばせない。

また、父親が化粧がハデな女性と出奔した過去がある。そのため、妹・珠美とも少しギクシャクしている。

そんなとき、毎日店内に「メロディ・フェア」が流れる時間に通る厚化粧の女性を見かける。後にその助成が幼なじみのミズキだと知る。

そしてなぜかミサキから「世界征服を手伝ってくれないか」と、変な提案を持ちかけられ…。

普通の人々の、まいにち

毎日を一生懸命生きながらも、コンプレックスや人間関係に悩んだりする日々を送る結乃。読者である私たちと等身大な感じがして好感がもてます。

美容カウンターに嫁のグチをこぼし来るだけのおばさんとか、実際にいそうです。

でも、結乃はそんなおばさんの話を聞いてあげて、少しでもきれいにしてあげたいと思うんですね。

そして、結乃の努力が身を結び、おばさんは忌の際の亭主を送るために口紅を買いにきます。

私はこのエピソード、とても好きです。

メイクが得意ではない私は、ビューティーアドバイザーの人って怖い印象があります。
昔、強引なセールスで売りつけられた過去があるので、高い化粧品を売りつけられるんじゃないか…

と思ってしまうのです。

でも結乃は、メイクで相手をキレイに幸せにすることを目標にしています。

ビューティーアドバイザーってそんな思いで仕事をしているんですね。そう思うと、今まで怖かった美容部員さんたちも親しみやすく感じられそうです。

ただ、ちょっと登場人物たちの性格が分かりづらかったというか。先輩の馬場さんも意地悪なんだか、親切なんだか最後までわからなかったし。他の人達の性格も今イチつかみにくい。


人って、いい面も悪い面も、両方持ちあわせているものですが…。

小さな恋のメロディ

ショッピングモールで流れる音楽『メロディ・フェア』は、映画『小さな恋のメロディ』の主題歌。

CMなどでも使われることが多いので、耳にする機会が多い曲です。

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