『ぶらんこ乗り』いしい しんじ

ぶらんこ乗りイメージ 不思議
ぶらんこ乗りイメージ

ぶらんこ乗り』は、いしいしんじさん初の長編小説。
麦ふみクーツェ』や『プラネタリウムのふたご』とはちがい、ものがたりの舞台はたぶん日本のどこか。

ものがたりは少年が去ってしまった後、見つかったノートを読みながらおねえちゃんが彼との思い出を回想していきます。

著:いしい しんじ
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とってもあたまのいい少年とおねえちゃん。
やかましやのおばあちゃんと画家のおかあさん、額縁職人のおとうさん。それに、半分毛がぬけてしまった犬「指の音」。

「あのこ」と呼ばれた少年は、ぶらんこ乗りとお話をつくるのがとてもじょうずだった。

「たいふう」「くうちゅうぶらんこのげんり」、それに「おばけのなみだ」。

「おばけのなみだ」はどぶ川に住んでたおばけの話。おばけが故郷の汚い川に帰れないで流すなみだは、どかんどかんと物を壊してしまう。

実際に町では物が壊れた後に水たまりができる事件がおきた。正体は雹だって大人はいうけれど、私だって川のおばけの方がずっとおもしろいと思う。

素晴らしい嘘つき

少年の作るお話は、まるでどれもみんな、いままで読んだことの無いようなお話。

解説の方も言っていたけれど胸がしんとなってどこか遠い、ふしぎな世界につれていってくれる。

読者のわたしも、少年のおねえちゃんとおんなじように、わくわくしながら文中にお話がでてくるのをいつのまにか待ちかねてしまいます。

とてもかなしい出来事のあと、おねえちゃんを立ち直らせるように少年がつくった最後のお話はとてもすばらしいウソでした。

そういえば『プラネタリウムのふたご』でも最後の手品はすばらしいウソで、このおかげで傷ついた魂が救われることになったんだっけ。

人の魂を救い、わくわくさせるものがたり。こんなウソなら信じてみたい。

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