『ママの狙撃銃』 萩原浩

狙撃銃イメージ 小説感想
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萩原浩さんの『ママの狙撃銃』では、ママが狙撃銃で標的を狙撃をしたり、いじめ相手をやっつけるという、痛快でちょっと切ないお話です。

一見、意外な組み合わせな「主婦スナイパー」という職業。だけど、読んでいうくうちにってなんだか「ありえそう」って思ってしまいました。

ママの狙撃銃 あらすじ

東京郊外の一戸建てに住む曜子は、ガーデニングが趣味で2児の母の、どこにでもいそうな普通の主婦。しかし、彼女が普通の主婦と違うのは、前職がスナイパー(狙撃手)だったこと。

アメリカ人の祖父から教わった銃の腕と形見の銃で、今日も標的を狙い撃つ。家族の平和のために…。

娘のいじめ問題や、夫の転職問題で頭を悩ませるものの、平凡で幸せな生活を送っていた曜子。

しかしある日、「K」という男から電話がかかってくる。

Kはアメリカ時代、祖父と仕事をしていたエージェント。彼が25年ぶりに曜子に仕事の依頼をしたいという。

曜子は夫の借金のため、悩んだ末にもう一度「仕事」を受けることに…。

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主婦の知恵とスナイパー業

『ママの狙撃銃』というタイトルを見た時、映画「シリアル・ママ」のような話かな?子供を傷つけた連中に次々仕返しをするのだろうか…?と思ったのですが、娘のいじめ相手との対決は一部分だけ。

話の大半は曜子さんがスナイパーになった理由や、「仕事」を行うまでの過程が描かれています。

そして、スナイパーといえども主婦なので、仕事にも主婦の知恵が生かされています。分解した銃を食材に紛れ込ませたり、ぬか床に報酬を隠したりするのが主婦らしいです。

娘をいじめたヤツにショットガンを突きつけちゃうのも痛快でした。

私もいじめ体験があります。なので、いじめたやつらは痛い目を見た方がいいし、今でも地獄に堕ちろ、といまでも思ってます。

荻原さんは短編「ちょいな人々」でもいじめ問題をとりあげてます。いじめられる方は毅然として立ち向かわないと、いじめる方はどんどんエスカレートしてゆきますからね…。

ラストのオチはちょっと切ないかな。

家計のためにパートタイムでスナイパーを続ける…という、ブラックなオチでもよかったんじゃないかと思います。

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