父親と彼氏と私との奇妙な同居生活を描いた『お父さんと伊藤さん』を読みました。
『お父さんと伊藤さん』あらすじ
彩はアルバイトで生計を立てている34歳。同棲中の彼氏の伊藤さんとは歳が20歳が離れている。世間からみたら負け組なふたりだけれど、本人たちはこの生活を楽しんでいる。
けれどある日、兄のところで暮らしていた彩の父親が突然やってきて、奇妙な同居生活が始まることになり…。
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取扱注意の父親
彩のようなアラサー世代以上の「お父さん」は、なにかと取り扱いが難しい世代です。彩と伊藤さんの生活や仕事についても、お父さんの価値観からすると、彩たちの生活も最初は「普通ではない=よくない」こととして捉えています。
この世代の「お父さん」は、自分の価値観と子ども世代の価値観、世間とのギャップがうまく埋められないし、伝える方法が下手なんでしょうね。
彩のお父さんも、家族に対してだけは甘えから、威張ったり、説教をしたりするのですが、家族のクッション役だったお母さんがなくなると、当然、子どもたちには反発されてしまいます。
彩の家に来ても当初は伊藤さんと顔を合わすのが嫌で、部屋に引きこもったり、ぶらりとどこかへでかけたりして彩をやきもきさせます。
やがて彩は、父が兄夫婦と同居できなくなった、「本当の理由」を知ることになるのですが…。
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彩の気持ちもわかるし、お父さん側の立場にたってみると、その切ない気持ちもわからないわけではないし。
家族だからこそ、難しいんですよね。特にお父さんという生き物は、自分の気持を正直に伝えるのが下手だからなあ。
それにしても、伊藤さんの正体、一体何者なんだ…。
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