古語はエモい。なるほど確かに、『エモい古語辞典』を読むとそう思います。
「エモい」とは古語の「あはれ」と同じような言葉なのだそう。
どちらも「かわいい」「なつかしい」「さびしい」など、様々な感情を表すのに使われるのだとか。
この本に掲載されている古語は、どれも響きが心地よく見目にも美しいものが多く、まるで鉱物図鑑のよう。
ひとつひとつの言葉のキラキラした輝きを、ただ眺めるのもよし、創作のヒントに使うもよし。
イラストもかわいくて楽しみながら古語が学べます。
花の古語
「花の宰相」は芍薬(シャクヤク)の古語。牡丹が「花の王」と呼ばれているので、それに対しシャクヤクは「宰相」なのですって。
私としてはシャクヤクのほうが好きなのですが、王の下で万事を司る「宰相」という呼び名はとてもかっこいい。
ちなみに、サボテンの古語には「覇王樹」という異名もあるとか。なんだか想像できますね。かっこいい。
擬人化の名前
日本人はなんでもかんでも擬人化したがる民族ですが、そのルーツは昔からあったらしく、四季の美しさを四人の姫にたとえています。
春の佐保姫、秋の竜田姫が有名ですが、夏には筒姫、冬にはうつ田姫という名前も。それぞれ、四季のイメージにあった美しい名前です。
あやかしの名前
日本古来の妖怪たちにも素敵な名前がついています。
「刑部姫」は、姫路城の天守に住むと言われる妖怪です。十二単を着た美しい女性の妖怪で、泉鏡花の『天守物語』のモチーフにもなっています。
また、面白かったのが図書館のような幽霊「書籍姫」です。
お墓の中から朗読する声が聞こえてきたり、墓前のお堂の本は誰でも好きに借りていいという、まさに図書館司書のような姫なんです。
期限内に本を返さないと姫が夢枕に立つこともあったとか。まさに司書姫ですね。
「今・ここ」にない状態
現代の流行語である「エモい」と古語の「あはれ」、どちらも「今・ここ」でないどこかに心を奪われている状態を表します。
確かに「今・ここ」にいない人を懐しがったり、さみしがったりしますね。
たとえ対象物が目の前にあったとしても、自分の心が「今・ここ」にない状態ということかもしれません。
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