『世界のすごい女子伝記 未来への扉をひらいた、歴史にのこる50人』は、王様から芸術家まで、幅広い時代、分野で世界を変えた女性を紹介。
イラストと装丁がかわいくて一目惚れ。ヨーロッパの女の子がベッドで読んでいそうな本です。しかし、やさしい文章で書かれていても中身は結構骨太で読み応えあり。

有名から無名まで、世界のすごい女子たち
有名なところでは、エリザベス女王やイザベル女王といった王族から、日本ではあまり知られていない女性まで。多くの国の、多くの時代の女性の活躍をとりあげています。
4世紀の女性数学者から、2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイまで活躍した年代も業績も多種多様。
医療や看護といえばフローレンス・ナイチンゲールですが、ジャマイカにもメアリー・シーコールという女性が私財をなげうってクリミア戦争の兵士たちを救っています。
そして、作者がアメリカ人だからか、この本はアフリカ系アメリカ人の女性が多いんです。
映画にもなった月面着陸を影で支えたNASAの人間計算機キャサリン・ジョンソン。そして、公民権運動のきっかけになったバスボイコット行動を起こしたローザ・パークスなど。
日本からは登山家の田部井淳子さんが選出されています。
差別と偏見に苦しめられながら家庭をもち、信念を貫いた女性たち、本当にすごい。
歴史に埋もれながらも、伝えられてきた偉業
この本では古代の数学者や人類初のプログラマー、世界的な化石を発見した考古学者など、女性たちの活躍が書かれています。
しかし、ただでさえ男尊女卑の世の中で、彼女たちの活躍は歴史の表舞台に立つことはありませんでした。
でも、それでも彼女たちの活躍を伝え、遺してきた人がいる。そのことに感動をおぼえます。そのおかげで近年の再評価につながるわけですから。
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