『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』は、文字通り、辞典から削除された言葉を集めた辞典です。消えた言葉を探していくと、時代が見えてきます。
昭和、平成世代には懐かしく思い返す言葉であり、令和世代には「面白い」発見につながる言葉がみつかります。
言葉が消える理由
辞書から消えるのには様々な理由があります。時代を経て忘れられたり、存在が確認できないものや差別的な意図を含む言葉など。
- 性俗語…性に関する言葉
- 差別語…女の腐ったようななど、差別的な言葉
性に関する言葉、現在は削除されているんですね。知らなかった…!
漫画『舟を編む』で、辞書編集者の荒木さんが少年の頃、エロい言葉を引いていた描写がありました。昔はそういうのもおおらかだったんですね。
時代と共に消えた言葉
昭和は生活に関する言葉が多く、平成はデジタルやビジネスに関する言葉が多いのが印象的でした。
昭和の消えた言葉
明国改定辞書(1952年)には、いまだ戦争の影がみえます。日常会話に戦争関連語が使われていたんですね。
- 【愛国婦人会】…戦死者家族の女性たちを救済する会
- 【少年航空兵】…徴兵以前に採用された少年兵士
他にも、制度の変更によって言われなくなった例えや、今では製造されていない物の言葉も。
- 【赤電話】…駅構内、店先にある公衆電話。
- 【聖徳太子】…一万円札のこと。昭和後期のお札の肖像が聖徳太子だったため
面白かったのが【街の天使】や【街の紳士】という言葉。実はこれ、それぞれ「街娼」、「ギャングの親分」を指すのですって。シャレた言い回しです。
平成の消えた言葉
- 【赤外線通信】…携帯同士を近づけてデータをやりとりする
- 【MD】…デジタル録音のためのディスク
- 【こギャル】…ファッションが派手な女子高生
どれも平成に流行したり、流通していた言葉ですね。MD、あっという間にCDやMP3に取って変わられたので私は使ったことがありません。
一度消えたけど復活した言葉
- 【サンドイッチマン】…体につけてをつけて歩く人
【サンドイッチマン】の復活には人気芸人サンドウィッチマンの影響があるのかも…。と解説で匂わせています。
そういえばサンドウィッチマンも敗者復活からM-1グランプリ2007で優勝していましたね。
消えた言葉で時代が見えてくる
「辞書は時代を追いかけるもの」という言葉は、ドラマ『舟を編む~私、辞書つくります~』で言語学者の松本先生が言っていたもの。
言葉は時代を移す鏡なんですね。なので『消えたことば辞典』を読むと、言葉から当時の様子を垣間見ることができるのです。
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