『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』三上延

古書店 ミステリ・ホラー

ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と虚ろな夢~』、今回は親子三代にわたる古書の物語です。

亡き父親の蔵書をめぐるミステリ。扉子と栞子、そして智恵子の関係が複雑に絡み合います。

『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』あらすじ

プロローグ・五日前
樋口佳穂という女性がビブリア古書堂を訪ねてくる。離婚した前夫の残した蔵書を息子に相続させたいが、元舅の古書店主・杉尾正臣が息子の蔵書を売ろうとしている、と相談を受ける。

初日・映画パンフレット『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』 
藤沢のデパートで行われた古本市。樋口恭一郎は祖父から父の蔵書を売るため、古本市のバイトを依頼される。複雑な思い出訪れた会場には、本のことになると話が止まらない、不思議な美少女・扉子がいた。


恭一郎は映画パンフレットの盗難事件に巻き込まれるものの、扉子の推理で事件は解決する。しかし、パンフレットに意外な事実が判明して…

間章一・五日前
栞子は不在中の古本市の手伝いを扉子に頼む。智恵子の思惑を感じながら…。

二日目・樋口一葉『通俗書簡文』 
樋口一葉の本から連番の貴重な五千円札が見つかる。

間章二・半年前
無くなる前、杉尾康明は智恵子を訪ねる。智恵子は康明にある頼み事をする。

最終日・夢野久作『ドグラ・マグラ』
康明の愛読書だった『ドグラ・マグラ』。サイン入りの貴重な初版本が見つかる。その裏にいるのが智恵子だった。果たして康明の蔵書はどうなるのか。

エピローグ・一ヶ月後
新たな対決と野望のはじまり。

本の呪い

本作には、本に魅入られてしまった人々がでてきます。愛するにしろ、憎むにしろ、本は彼らに多大な影響を与えていきます。

亡くなった人の蔵書がこんなにも人々を翻弄するのは、読んでいて恐ろしくなりました。

読書は男にとって大きな力になった。(中略)しかし、大きな力はたやすく呪いに変わるのだ。

本を読まない人間からしたら、本は単なる紙の束でしかありません。しかし、本に魅入られた人々はその中に世界を構築する。

そして、自分の世界を守るため、時に他者を犠牲にしてしまう。

本に興味を持ち始めた恭一郎や扉子も、いつかは本の呪いがかかってしまうのでしょうか…。

智恵子の野望と栞子の決心

新シリーズになり、扉子ちゃんメインの話かと思いきや、栞子さんも活躍します。前作で対決した母・篠川智恵子の野望が絡んでくるからでしょう。

智恵子さんの野望に、扉子ちゃんが狙われていると気づいた栞子さんは、もう一度、母に向かい合います。

一度は和解した母子ですが、人間、そう簡単には切り替えられませんよね。ましてや「本」が絡めばなおさらです。

彼女たちにとって、本は世界のすべてなのですから。

栞子さんも昔は人見知りで本以外には無頓着、そのため人の嫉妬や野望に巻き込まれていました。でも母となったことで、扉子ちゃんや周りの人々智恵子さんから守る決心をします。

もちろん、大輔くんも一緒に。

あ、そして相変わらず栞子さんと大輔くんはラブラブファイヤー(登場人物の坂口しのぶさん命名)でした。(笑)

結婚20年にもなろうというのに、「早く会いたかった…」「大輔くんの夢ばかり見てました」だの、イチャイチャしております。

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