『婚活マエストロ』は、ライター・猪名川が仕事のため婚活へ参加。そこで、婚活のリアルと、凄腕の社員・鏡原さんの秘密を知ることに。
婚活に励む人も、そうでない人にも刺さる物語でした。作者は『成瀬は天下を取りにいく』の宮島未奈さん。
『婚活マエストロ』あらすじ
高いカップル成功率を誇る婚活会社「ドリーム・ハピネス・プランニング」。この会社の紹介記事を書くことになったライターの猪名川は、試しに婚活パーティーへ参加する。
そこには「婚活マエストロ」と呼ばれる凄腕カウンセラー・鏡原さんがいた。彼女は、ある能力で婚活希望者たちの欲求を汲み取り、カップル成立に大きく貢献していた。
そうした多くの出会いを経験するうち、猪名川は自らも婚活に向き合うとようになるが…。
描写のリアル
『成瀬は天下を取りにいく』でも感じましたが、宮島未奈さんは生活描写がうまい作家さんですね。
『婚活マエストロ』でも、バスツアーやシニア婚活まで、まるで自分がパーティーに参加したかのような臨場感が味わえます。(特に、琵琶湖ミシガンクルーズ描写はさすが)
婚活パーティーに潜入するマルチ商法に勧誘されるのもありそうですし。文章の中に地方っぽい雰囲気もまるでそこに住んでいるかのような現実味があるんです。
鏡原さんは「成瀬」同様、現実にいなさそうなタイプ。でも、リアルな「背景」描写によって、そんなキャラクターを違和感なく存在させています。
サイゼリアの間違い探しとか、猪名川のライター仕事の内容だとかは「あるある!」と思いながら読んでいました。
- 『成瀬は天下を取りにいく』
- 『成瀬は信じた道をいく』
- 『婚活マエストロ』