夏になると読み返したくなる。『くらのかみ』 小野 不由美

くらのかみ ミステリ・ホラー
くらのかみ

くらのかみ』は夏になると読み返したくなる本です。

名作『十二国記』『ゴーストハント』の作者・小野不由美さんが描く子供向けの、けれど本格的なホラーミステリ。

古い田舎の家、みんなと遊ぶ夏休みのワクワク感、夏が終わる切なさ。

そんな夏の描写と怪奇絶妙に混じり合って、不思議な夏休みの事件となっています。

著:小野 不由美
¥748 (2024/12/13 21:11時点 | Amazon調べ)

『くらのかみ』あらすじ

耕介は、夏休みに父と一緒に田舎の大叔父の家を訪れた。この家は資産家だが子供が育たないため、子供のいる親戚を呼んで、あと継ぎを決めることになっていた。

大人たちが話し合いをしている中、退屈した子供たちは蔵座敷で「四人ゲーム」を始める。

真っ暗な部屋の四隅に4人ずつ座り、1人ずつ移動して隅にいる子の肩をたたく。これを順番に繰り返すと、いつの間にか1人増えているという。

そうして明かりをつけた時、4人のはずの座敷には子供が5人いた。

どうやらこの家の守り神「お蔵さま」と呼ばれる座敷わらしが混じってしまったらしい。でもみんな、どの子が座敷わらしかわからない。

一方、座敷わらし騒動の直後、大人たちが食事の後で苦しみだした。料理に毒のある山菜「ドクゼリ」が混ざっていた。

その後も沼に人魂がでたり、井戸が鳴るなどの怪異が起こる。犯人を突き止めようと耕介、梨香、真由、音弥、禅、光太の6人の子供たちは捜査を開始するが…。

大人も子供も楽しめる、ホラーミステリ

幽霊や妖怪、家にかかる行者の呪い、一見、たたりのような事故が発生します。でも、事件にはちゃんとした犯人がいて、それを子どもたちが突き止めていく物語です。

ホラー要素を含んだ上で、ミステリとしてのロジックもきっちりしています。特に座敷わらしの正体と、ドクゼリ混入の犯人は、巧妙にリンクしているのです。

物語の最後、いよいよ座敷わらしの正体がわかります。特に怖い描写が書かれているわけではないのに、座敷わらしが去っていくシーンは、読んでいて背筋がぞわりとしました。

もともと「くらのかみ」は有名作家陣が児童~ティーンむけに執筆した「ミステリーランド」シリーズの1冊として書かれました。」

子供たちには本格的な推理が楽しめ、大人たちは、懐かしい子供のころを思いだせるシリーズです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】くらのかみ /講談社/小野不由美(単行本)
価格:1,444円(税込、送料無料) (2024/7/13時点)


タイトルとURLをコピーしました