『声』岸田奈美

クレーム Kindle・電子書籍

『声』は、エッセイ『国道沿いで、だいじょうぶ100回』の話を元に書かれた短編小説。

理不尽で奇想天外なクレームに対処する病院職員。彼女はどんな気持ちで回答を書いているのか。

エッセイの裏側に存在する「人」への視点が優しく、そして面白く描かれています。

著:岸田奈美
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小説も面白い岸田奈美

ほんと、すいませんでした!

「エッセイ作家が、面白い小説を書けるのか?」と勝手な偏見を持っていた自分を殴ってやりたい。

岸田奈美は小説もおもしろい!(声を大にして言いたい)

『声』は、病院に寄せられた理不尽なクレーム(患者さまの声)の回答を命じられた、看護助手の女性が主人公。

夢見ていた職業についたのに、周りからは必要とされず、名前も呼ばれない。

そんな絶望の中、ヤケになって返答を書き綴っていくんですが…。

面白さと苦しさと少しの救いと

エッセイでも魅せる岸田奈美さんの例え表現は小説でも健在。

理不尽で奇想天外なクレームをこう書いています。

叱咤激励から激励だけを抜いて、隠し味に怨念と鬱憤を少々。理不尽でジャっと炒めて皿に出したような

きっとこのクレームは強火で炒めたんだろうな…と想像できる、秀逸な表現。

主人公は絶望の底にいて、あがき、苦しみながらも、作業を続けるうちに、ほんの少しだけ希望を見出します。

ラストは「え?もっと続きが読みたい…」で終わっているけれど、きっとここで終わるのがいいんだろうな。

元ネタになった「病院で骨抜きのサバを出されて怒り狂う人よ」はこちら。面白いのでぜひこちらも。

著:岸田 奈美
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