森薫さんの中央アジア漫画『乙嫁語り7』では、女性同士の結婚制度「姉妹婚」が紹介されていました。
19世紀には廃れてしまった風習らしいのですが、その元ネタとなるのがこの『ペルシア民俗誌』という本です。
著:A・J・ハーンサーリー, 著:サーデク・ヘダーヤト, 翻訳:岡田 恵美子, 翻訳:奥西 峻介
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中東の姉妹婚・ハーハル・ハーンデ
『ペルシア民俗誌』は、17世紀に「コルスムばあさん」という女性から聞き取ったペルシア(イラン)女性民俗誌です。この本の中に「姉妹婚(姉妹縁組)」について書かれています。
姉妹婚には『乙嫁語り7』で描かれた以上に、いろいろなしきたりやルールがあるようです。
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プロポーズの方法や祝日を選んで廟で式をあげる。漫画に出てきた以外も様々なルールがありました。
- 彼女たちは時に眉間にほくろを書き、生涯の愛の証とした
- 姉妹縁組の儀式に参加した者にはシャーベットをふるまうとよい
- 何枚かのスカーフを持たねばならない。そしてスカーフの結び方は14種類ある
姉妹婚の風習以外にも面白い習慣も掲載されています。「風呂屋に行ったらニンジンとダイコンをたべなければならない」、「旦那が新しい腰布を買ってくれるまで沐浴してはならない」など。
スパイスの愛言葉
また、識字率の低い女性たちは香辛料に「花言葉」のような意味を持たせて、相手に贈っていたそうです。
- 固いナツメグ…あたしはあんたのもの
- 棒状のシナモン…ごきげんいかが
- シナモンのはじけたもの…あたし病気なの
シナモンやナツメグはその状態によって意味が異なるのが興味深いですね。
『乙嫁語り7』でも、アニスがシーリーンの身を案じてクルミを渡しています。
意味は「固く閉じたあなたの辛い運命を一緒に耐える」でした。