『「好き」を言語化する技術』は、ただの推し語り本ではありません。
「好き」を言語化することは、自分自身を知ること。それは時に、他者とのコミュニケーションにも役立つのです。
自分と推しとの関係に、他人の感情は必要ない
私がこの本を読んで、一番感動した一文はこれです。
自分と推しとの関係に他人の感情を入りこませる必要、なくないですか?
私は今まで推しに対する感情に対して、「こんな風に考えてしまう自分はダメなのだろうか…」と落ち込むことがありました。
だけどこの一文を読んだ時、すうっと霧が晴れる思いがしたんです。
好きなポイントが他人と違っていても、モヤモヤを感じたとしても、それは私自身の思いだから他人に左右されなくていいんだ。(もちろん、対話では相手に同調しますが)
また、「推しとはモヤモヤするものだ」と書いてくれたのも嬉しかった。モヤモヤするの、私だけじゃないんだなと。
ネガティブな考えを外に出して周囲を不快にするつもりはありませんが、自分の中で好きもネガティブな感想も、言語化して整理しておくのは大事なことなんですね。
この言葉にはすごく勇気をもらいました。
ビジネスにも役立つ推し語り
『「好き」を言語化する技術』では、いわゆる「布教」と呼ばれる推しに興味のない他人に推しを語る方法も書かれています。
それは、相手と自分の情報格差を把握して、アプローチをしていくの方法なのですが、これって、ビジネスや人間関係全般に応用できそうなんですよ。
まず、相手が推しに興味がないという前提で興味がないことを認めたうえで、相手が興味のあるジャンルに推しを当てはめて語る。
相手の立場にたった布教は、もはやプレゼンテーションでもあるのです。
まずは具体的に書いてみる
推しを語る上で大事なことはこの3つ。
- 具体的に書く
- 感情を言語化(共感と新しさ)
- メモを残す
自分はどこにワクワクしたのか。それを具体的に、細かく書いていく。そうすることで情報が整理されて自分の言葉になっていくのだそう。
感情を書く場合、どこに新しさを感じたのか、どこに共感したか。これらを手がかりに自分の好きを言語化していきます。
一方、「ここはちょっとなあ…」と感じたネガティブな部分も書いていくのも大事ですが、実は悪口って難しいんですって。
嫌悪感は自分のコンプレックスに起因しているから向き合いづらいのだとか。悪口を書けるのも一種の才能なのかもしれません。
それができるのは森茉莉さんくらいでしょうね。彼女は褒めるのと同じ熱量で悪口をかけますから。
どんな感情も言語化は可能ですが、SNSなど外に発信する場合は、覚悟と責任をもってやるべきでしょうね。
